元巨人の清原和博氏(53)が、国内の高校、大学野球の指導者資格を回復した。5日に日本学生野球協会が認定したもので、清原氏にとって更生への大きな一歩となりそうだが、同協会のガイドラインには「執行猶予の期間経過後5年を経過」との規定がある。2016年に覚醒剤取締法違反で執行猶予4年の有罪判決を受けた清原氏が指導できるのは、25年6月以降…。そんな清原氏に、周囲からは「特例」を求める声が出ている。

 清原氏の指導者資格回復の一報は、球界内でも大きな話題となった。なかでも清原氏と同じPL学園OBの面々にはうれしいニュースとなったようで、同校OBで本紙評論家の得津高宏氏は「本当に良かった。野球人というものはやっぱり、野球を教えたくなるものなんですよ。これを大きな一歩として、ずっと野球に関わる仕事を続けてくれたらうれしい」。

 ただ、得津氏が気にかけているのは「執行猶予の期間経過後5年」のガイドラインのこと。同氏もすでに指導者資格を回復しているのだが「そうした項目があることは知りませんでした。もし清原があとから知って、がっくりしてやしないかが心配です。2人の息子さんに指導するということが、一番の目的だったでしょうから」と話した。

 清原氏の息子はいずれも今春、長男が大学1年生で、次男が高校1年生。長男は高校ではアメリカンフットボールをやっていたが、大学(慶大)で野球部への入部が決まり話題となったばかりだが、指導できるのが4年後では、長男が大学、次男が高校に在学中に表立っての指導はできないことになる。

「(清原氏の長男が)高校時代に別のスポーツをやっていたのならなおさら、親としては指導してあげたくなるじゃないですか。ものすごいパワーがあるという話を聞いていますし、親父譲りの柔らかさが加われば、プロだって夢じゃない。イチローのときだって特例が認められたわけですから、清原にも認めてあげてほしい」(得津氏)

「イチローの特例」とは、イチロー氏が2019年に指導者資格回復研修を受講した際のこと。資格回復には所属球団を退団することが条件なのだが、イチロー氏のケースはオフシーズン期間限定で、マリナーズに所属(肩書は会長付特別補佐兼インストラクター)したまま指導できる特例が認められた。

「イチローのネームバリューが欲しかったんでしょうけど、這い上がろうとしている人にも手を差し伸べてほしい。もちろん清原自身も、周囲に認めてもらえるような振る舞いを続けていくことが大事です。せめてあと1年ぐらいで指導できるようになってほしいです」(得津氏)

 いずれにせよ清原氏が、指導者としてのスタートラインに立ったことは間違いない。そしていつの日か、NPB球団のユニホームを着る日はくるのだろうか…。