覚せい剤取締法違反で有罪判決を受け執行猶予中の清原和博氏(52)がトライアウトの監督を務めることが話題となっている。

 7日は神奈川・横浜市のサーティーフォー保土ケ谷球場で行われた「ワールド・トライアウト2019」の予選会に参加。2016年2月の逮捕後初となる野球関連の仕事をこなした。

 球場正面に止めた車から紺のスーツに水色のネクタイ姿の清原氏が降りると、20人ほどの観客が周りを取り囲んだ。球場入り後、一塁側ベンチからグラウンドに足を踏み入れると、スタンドからは「清原監督ー!」「清原さーん!」と次々に歓声が上がった。

 バックネット、一塁スタンド、報道陣に一礼した清原氏は、参加選手に向かい「皆さん、今日は皆さんの姿を見に来ました。皆さんは小学校からずっとプロ野球選手を夢見てやってきたと思います。今日はそのチャンスがありますんで、精一杯悔いのないようにプレーしてください。頑張ってください」とエールを送った。

 終了後に行われた会見では、6日に覚醒剤所持の疑いで逮捕された田代まさし容疑者についての質問にも「自分は今、病院の治療とグループミーティングをしていて、それは3年間で一度も休んだことはないですし、尿検査もしている。薬物に関しては自分なりにやっています」と答えるなど、真摯な姿勢で球界復帰への足がかりをつかんだ様子だ。

 その一方で、トライアウト自体の盛り上がりはいまひとつ。平日とはいえ“清原効果”を踏まえた上でこの日集まった観客は100人ほど。投手の多くは球速120キロほどで、打者もそれを打ちあぐねる場面が目立った。スタンドにNPBスカウトの姿はなく、予選とはいえトライアウトの意義としては微妙だ。

 入場料は1000円で一般応募生の参加費も数千円程度と資金繰りの難しさもあり、今回は海外選手の渡航費も選手の自腹になるという。

 加治佐代表は「神宮球場でやる本選(30日)にはNPB6、7球団、MLB5球団のスカウトが来る。12球団トライアウト(12日)後に元プロの方々にも声をかけさせていただいて、今日の合格者と合わせて30人ほど、そこに海外選手10人程度の計40人で試合形式のトライアウトになる。ホームラン競争を取り入れるなど、今後もメインは興行収入で考えています。トライアウトを通じて、NPB、MLB、アマチュアが対戦する機会をつくれれば」と語るが…。

 清原氏だけでなく、参加選手にとっても球界への懸け橋となれるか。