全日本大学野球選手権は10日、東京ドームで1回戦4試合が行われ、八戸学院大(北東北)は佛教大(京滋)に3―4のサヨナラ負け。7年ぶりの全日本は悔しい初戦敗退に終わり、チーム内では“輝星ショック”が尾を引いている。

 八戸学院大は9回、それまで好投を続けていた先発の大道(3年)が突如崩れ、一死満塁のピンチに。代わった中道(3年)がつかまり、まさかの結末となった。打線は4番・武岡(3年)の2打席連続本塁打で3点を挙げたが、あと一歩及ばず。正村監督は「投手の交代を遅くしたのが今日の敗因。本当は7回ぐらいが代えどきだった。大道は疲れがちょっと見えた。私のミスです。選手に申し訳ない」と唇をかんだ。

 12日にプロ初先発を迎える日本ハム・吉田輝の当初の進学先として注目を集めた同校だけに“フラれた”ショックはいまだ大きい。「正村監督は吉田を抑えとして育てる方針だった。大学生でもあの真っすぐを捉えるのは難しい。試合展開としても『吉田がいれば』と思わずにはいられない試合でした」とチーム関係者。吉田輝の同期で金足農から八戸学院大に進学した菊池(1年)は「頻繁に連絡は取っています。一緒にプレーできないのは残念だけど、輝星だったら広島でも抑えてくれると思う」とかつての戦友にエールを送る。

 吉田輝にとって正村監督は代名詞のストレートに磨きをかけてくれたまさに恩人。無念の敗退となった八戸学院大のためにも、プロ初先発で恩返ししたいところだ。