【ミズーリ州カンザスシティー12日(日本時間13日)発】エンゼルスの大谷翔平投手(23)はロイヤルズ戦に8番・DHでスタメン出場した。相手先発はメジャー通算92勝のベテラン右腕ケネディ。今季はこの試合前まで2試合に先発して1勝、防御率0・75。12イニングでわずか1失点だ。

 注目の第1打席は1―0の2回二死無走者。カウント1―2から外角低目のフォーシームに手がでず見逃し三振だった。

 試合前、ロイヤルズのヨースト監督はこの日はDHで打席に立ち、15日(同16日)に先発マウンドに立つ大谷について、「今、多くの人たちが彼について語っている。興味を持って当然だろう」と話し、「昨日(のマリナーズ戦で)、一塁塁審を務めた、長い経験を持つデービスに聞いたんだ。『大谷の何を見たか?』って。すると彼はこう答えたんだ。『誰とも違う。つまり、見たことのないものを見た』」というエピソードを明かした。

 デービス氏は大谷が7回無失点12三振と好投した9日(同10日)のアスレチックス戦の球審で、大谷が3戦連続の3号本塁打を放った時には二塁塁審を務めていた。

 ヨースト監督は番記者から「まるでサーカスのようなことが起こっているようだが」と振られると「私は、サーカスのような状況だとは思っていない。どこかにピエロはいるか? 日本のメディアが大勢来ているが、それはスター選手がここ(メジャー)でプレーしている時にいつも起こっていること」と返答。大谷については「もう分かっているんだ。彼の才能、プレーを見ることは、とてもエキサイトなものになる。とにかく、あの子は特別なスキルを持っている。とても、とても珍しい、私たちが、長い歴史の中でも見たことのないものだ。ハイレベルのピッチングと、オフェンスとしてのいわばプロデューサーだ」と称賛する言葉を並べた。

 そういえば10日(同11日)のレンジャーズ戦前の練習中に、敵将バニスター監督から激励を受けた。二刀流の放つ鮮烈な光は相手チームの監督をもとりこにしてしまうのだ。

 ロイヤルズはこの日からの4連戦で打者・大谷をどう抑え、投手大谷をどう攻略するのか。ちなみにアスレチックスは3月29日(同30日)からの4連戦では29日にメジャー初安打、1日(同2日)にメジャー初勝利を献上。6日(同7日)からの3連戦では6日に137メートルの超特大弾を浴び、8日(同9日)は7回1安打無失点、12三振と完璧に抑えられ、2勝目を許した。