オリックスの長谷川滋利シニアアドバイザー(SA=49)がスカウティングのみならず、京セラドームの集客アップにも尽力する。昨年からSAに就任し、日米を行き来しながらスカウト業務をこなしているが、今季から営業面にも着手。日米の球場を知り尽くす元メジャーリーガーが京セラドーム、二軍施設が集結する舞洲の活性化に乗り出す。

「強かったらお客さんは入るけど、例えばカブスなんか負け続けても満員になるんです。アメリカならシングルAでも入る。アメリカと風土は違ってもやり方はある。場内サービスを含めて球場の雰囲気をどうやってつくっていくか。コラボやイベントとか、野球ファン以外に野球を見せるきっかけをつくることも必要。年に2~3回来る人を5回にする。USJやディズニーから学ぶこともあるし、ディズニーとのコラボだって金払ったらできるでしょ」

 サッカーのセレッソ大阪の練習施設、バスケットのエヴェッサ大阪の試合会場が隣接する湾岸地区の舞洲についても「バスケットはお客さんは来ている。チケットを買ってご飯を食べて1人3000円くらいにできれば週に1回くらいは行ける。音楽イベントやったらすごく来るんですから」と可能性を模索している。

 すでに営業の会議にも参加するなどマーケティングに積極的。今季は大リーグのマイナー球団の担当者がサービス視察に京セラを訪問する予定もあり、エスコート役を務める長谷川SAは「僕は近い将来、シングルAを買いたいと思ってる。オリックスにいながらでもシングルAならオーナーになれる。こういうことをもっと勉強してやっていきたい」と野望まで口にした。オリックスの昨年の観客動員はリーグ5位。不動産会社を経営するなど「俺はコンサルタントみたいなもの」と話す長谷川SAのアイデアで、どこまで上積みできるか。