上原まさかの炎上で“聖域化”に歯止め

2018年04月11日 16時30分

復帰後初黒星を喫してしまった上原

 まさかのレジェンド炎上だ。巨人は10日のDeNA戦(東京ドーム)で、1点リードの8回に登板した上原浩治投手(43)が5安打3失点の大乱調。3―4の逆転負けを喫し、4連敗で最下位に転落した。ただ痛恨の黒星にも、チーム内に暗さはない。むしろ上原の起用法を巡る“聖域化”に歯止めがかかったことで、今後はリリーフ方程式の幅が広がると期待されている。

 大歓声があっという間にため息に変わった。1点を追う7回に長野が起死回生の代打逆転2ランを放ち、8回からは満を持して今季無失点の上原が登場。東京ドームのボルテージは最高潮に達したが、直後に悪夢の展開が待っていた。

 上原が先頭の大和に左前打を許すと、徐々にドームの空気が変わり始める。続く筒香は直球で二飛に打ち取ったが、この日は宝刀スプリットが定まらない。「ちょっと高かったというのもありますし、逆転してすぐの回だったので、どうにか抑えたいという気持ちが空回りした」と上原。ロペスから4連打を浴びて瞬く間に3失点で逆転を許し、復帰後初めてイニング途中での降板となった。

 その後も上原はベンチ最前列で応援を続けたが、味方の反撃は一歩及ばず。試合後は「流れ的には完全にジャイアンツのペースになって(その流れを)自分が壊してしまった」と敗戦の責任を背負った。ただ由伸監督は「(リリーフの)全員が全員、1年間完全というのはない。こういうときもありますよ」と右腕を責めることは避けた。

 上原はこの日の試合前まで4試合で防御率0・00、しかも被安打、四死球もゼロと完璧な投球を続けていた。厳しい場面をことごとく封じていただけに、G党はショックを受けたはずだ。それでもチーム内ではこの事態を前向きにとらえる声もある。

「打たれて良かったなんてことはないけれど、上原のデカすぎる存在感にどこか縛られていた感もある。あいつも人間だってことが、みんな分かったんじゃないかな。接戦の場面でも、これからは他の3人(澤村、マシソン、カミネロ)の調子も見ながらうまく回していけばいいんじゃないか」。試合後、スタッフからはこんな声が上がった。

 今季は接戦の終盤になると、特に本拠地では上原の登場を待ちわびる異様なムードが生まれている。また無失点投球を続けていた以上、ベンチが苦しい場面で右腕を投入するのは当然のこと。だが首脳陣も、当初は絶対的なセットアッパーを決めていたわけではなかったはず。上原=パーフェクトのイメージが消えれば、今後は流動的な起用に踏み切りやすくなる。

「いい時もあれば、悪い時もある。ただ今日の試合に限って言えばチームが3連敗していたというのがあったんで。自分が申し訳ないことをした」。頭を下げ続けた上原だったが、開幕10戦目の神話崩壊が巨人奮起のカンフル剤となるか。