大谷は「元祖二刀流」ルースを超えられるか

2018年04月04日 11時55分

試合前に打撃練習で汗を流す大谷

【カリフォルニア州アナハイム3日(日本時間4日)発】エンゼルス・大谷翔平投手(23)は「元祖二刀流」ベーブ・ルースを超えられるのか。1日(同2日)のアスレチックス戦(オークランド)でメジャー初先発。6回3失点で初勝利を挙げ1919年のルース以来、約1世紀の時を経てメジャーに本格的二刀流プレーヤーが誕生した。日米ファンの期待を背負う大谷は無事デビューを果たしたが、重要なのは今季をどう終えるのかだ。最後の二刀流・ルースが1918年に残した「2桁勝利(13勝)、2桁本塁打(11本)」を大谷が超えられるか、現地の名物コラムニストが検証した。

 大谷は3月29日(同30日)のアスレチックス戦で8番・DHとして5打数1安打、その3日後の同戦に先発し6回3安打3失点6奪三振で初勝利を挙げ、好スタートを切った。

 日本ハムから「世界一の選手になる」と宣言して海を渡った23歳がメジャーでも「エースで4番」を実現するのか。日本ハム・栗山英樹監督(56)が強行指名した2012年ドラフト時に提唱した「二刀流の定義」は未知の興奮を持ってアメリカに受け入れられようとしている。

 では何がその成功の目安となるのか。昨年9月に来日し日本ハム・大谷を事前取材、母校・花巻東の佐々木洋監督のインタビューにも成功したロサンゼルス・タイムズの名物コラムニスト、ディラン・ヘルナンデス記者は「まだ第一歩を踏み出しただけ」と語り、こう続ける。

「エンゼルスとの契約の中身は分からない。もしかしたら“最低1年間は二刀流を続ける”という約束になっているのかもしれない。ただ、そのような特約がない限りメジャーは結果が全て。このままずっと二刀流をやらせてもらえるのかどうか、本当のテストはこれから。打つ、投げる、どちらも結果が大事になってくるはず」

 そして同記者は大谷が最低限こなさなければいけないノルマを「おそらく6人で27試合(150~180回)と予想される先発ローテーションを守ること」とし「27試合の18試合ぐらい(約7割弱)でクオリティースタート(6回以上で自責点3以内)投球をしてチームを勝利に導くこと。その上で10勝できればパーフェクト」とした。

 一方で、そのローテーションの合間に2~3試合出場することになる打者については「だいたい75試合300打席ぐらいの出場機会の中で10本のホームランが打てればすごい。15本打てたらベースボールの歴史が変わる」と語った。

「最後の二刀流」ルースが1918年に記録した数字は投手として20試合(166回1/3=うち18完投)に登板し13勝7敗(勝率6割5分)、防御率2・22。打者としては95試合(380打席)で打率3割、11本塁打、66打点、6盗塁だった。

 ヘルナンデス記者は「これはジャッキー・ロビンソンが1947年にデビューする29年前の記録。プレーしている選手が白人だけで今のMLBとはレベルが違い過ぎる」として上で「仮に大谷がトラックマンやスタット・キャストといった軍事技術を応用した今の時代のスカウティング・システムの網をかいくぐって1世紀前のルースの記録に近づいたとしたら、それこそ歴史的な快挙」と断言する。

 そして、同記者は「日本には『キャプテン翼』や『巨人の星』などを生み出した独自の漫画文化がある。その発想はアメリカにはない日本固有のもの。その想像力こそが栗山監督を通して『エースで4番』というアメリカ人には思いもつかない二刀流・大谷を生み出したのだと思う。このストーリーは日本からしか生まれない歴史的必然」と結んだ。