無念の大敗…花巻東は大谷先輩の雪辱果たせず

2018年04月04日 11時00分

花巻東・佐々木監督

【赤坂英一 赤ペン!!】大リーガー・大谷による激励効果も、大阪桐蔭の前には通用しなかったのか。9年ぶりにセンバツの準々決勝へコマを進めながら、優勝候補の大本命に完敗した母校・花巻東(岩手)を見て、ふとそんなことを考えた。

 佐々木監督によると、大会直前にエンゼルスの大谷から「頑張ってください」というメールとTシャツの差し入れがあったそうだ。これが効いたのか、初戦で強力打線を誇る東邦(愛知)に快勝。彦根東(滋賀)戦では9回まで無安打無得点に抑えられるも、延長10回にきて劇的なサヨナラ勝ちである。

 その試合の前日には、大谷が米国デビュー戦の初打席で初安打。佐々木監督は練習中に報道陣から結果を聞き、夜のテレビニュースで大谷の打撃をチェックしたという。もう一人の教え子、西武・菊池も開幕戦で今季初勝利を挙げて、花巻東にとっていい景気づけになったはずだ。

「それはどうでしょう。いま思うと、菊池も大谷も最初から持ってる力が違いましたからね」と佐々木監督は謙遜するが、大谷の在学中「何とか高校生投手として初の160キロ台を記録させたい」と様々な努力を重ねたことは有名な話だ。体を大きくするために何杯もの丼飯を食べさせたり、遠征先では余った仕出し弁当をすべて大谷に回したり。

 花巻東では選手たちに目標設定用紙を渡し、それぞれの目標の数値を書かせる。佐々木監督が大谷に「160キロと書きなさい」と指導すると、その熱心さに打たれたのか、大谷は162キロ、165キロとそれ以上の数字を書いてウエートトレーニング室の天井に貼り付けていたそうである。

 その大谷は2012年の選抜に出場し、1回戦で当時のエース・藤浪(現阪神)を擁する大阪桐蔭と対戦。西谷監督は「何度も大谷のビデオを見て攻略法を考えた」という。結果は大谷が11四死球で自滅し、2―9と花巻東が惨敗した。

 今回はその12年以来の因縁の対決だったが、もっと一方的な0―19で大敗。左足靱帯の断裂という重傷を負いながら采配を振った佐々木監督は、試合後にお立ち台に腰を下ろして悔恨のセリフを絞り出した。

「私の力不足、指導力の差です。ゼロから立て直して夏に戻ってきたい」

 そう語った恩師の雪辱を大谷や菊池も心待ちにしているはずだ。