阪神が宿敵・菅野撃ち 1号2ラン大山に本紙評論家・得津氏が謝罪「失敗ドラフトじゃなかった」

2018年03月31日 13時00分

3回、2ランを放った大山(左)は福留とベンチに戻って笑顔でナインとタッチ

 プロ野球が30日、セ、パ同時開幕し、ペナントレースの熱い戦いが始まった。これ以上ないスタートとなったのが、東京ドームで宿敵巨人を5―1で圧倒した阪神だ。オープン戦最下位だったチームが見違えるような戦いぶりで「伝統の一戦」に完勝。その舞台裏では、本紙評論家がトラの若き大砲に謝罪する一幕も。今年はどんな筋書きのないドラマが待っているのか。

 阪神がよもやの“菅野打ち”で爆勝発進だ。2回、主将・福留が左翼ポール直撃のソロで突破口を切り開くと、最下位に終わったオープン戦での貧打がウソのように猛虎打線が爆発。出陣式での金本監督の「何が何でも優勝しよう! どんな状況になっても最後に優勝するのは俺たちだ!」というゲキに応え、野手は先発全員安打をマークし、4年連続5度目の開幕投手となったメッセンジャーも7回1失点の快投。投打がかみ合っての開幕戦勝利に、指揮官も「これだけ菅野から打てるとは思っていなかった。今日は打つ方がゲームをつくってくれた。メッセもさすがでした」とナインをたたえた。

 なかでも目を見張る働きをしたのが2年目・大山悠輔内野手(23)だ。「6番・三塁」で初の開幕スタメンを果たすと、2回の第1打席で今季初安打。3回には右翼席へ値千金の1号2ランを放ち「自分としてもすごくいいバッティングができたと思う。いい感覚もあったが、また明日も試合があるのでしっかりやります!」と手応えを口にした。

 指揮官の愛情に応える活躍だ。鉄人流ボディーをつくり上げるため、オフには「体脂肪5%減」を命じられ、厳しい食生活を送った。開幕直前にはパワー不足を指摘され、直々に「もっと体重を増やせ!」と増量指令が出されるなど、将来の4番候補としての期待の大きさゆえに過酷なノルマを課された。開幕戦のこの日も午前中からドーム内で早出練習を敢行するなどハードな指導は継続中だ。

 かつての“低評価”もバットで吹き飛ばした。「申し訳なかった」と大山に謝罪するのが、本紙評論家の得津高宏氏だ。ロッテでスカウトの経験もある同氏は毎年のドラフト会議直後に連載している「ドラフト評」で、2016年に大山を1位指名した阪神を「失敗ドラフト」と一刀両断。

「“失敗ドラフト”などと評して本当にすまなかった。あの時は『大山は1位じゃなくても獲れるのでは』『先に投手を補強すべきでは』ということを言いたかったのですが、ここまでの選手になったのは本人の努力のたまものだし、金本監督をはじめとした指導者の力だと思います。信念を持って指名した選手が活躍してくれるというのは、担当スカウトとしてはそれはうれしいもの。今後のさらなる成長を期待しています」と脱帽した。

 愛弟子の打棒爆発とあって、金本監督は「逆方向に素晴らしい打撃だった。あれで『今日はいける!』と思った。昨日から開きを抑えてコンパクトに打つ姿があったので期待していた。片岡コーチが今までやっていないことをやらせていて、それが功を奏した」と大喜びだった。大山は3年目を迎えた金本阪神の旗印でもある。本領発揮はこれからだ。