虎の新助っ人ウィリン・ロサリオ内野手(29)が来日初安打初打点をマークした。4―0の7回一死一、三塁で迎えた第4打席で、菅野から左前へダメ押し打。「すごい投手なのでどの球をコンタクトするのかだけを考えていた。これからも研究していかないといけない」と殊勝だったロサリオに、金本監督は「いいところで打ってくれた。ヒットが出るまでもベンチで盛り上げてくれていて、いいムードで試合ができた」と称賛した。

 沖縄キャンプでの豪打ぶりがウソのようにオープン戦では打率1割4分3厘、1本塁打、4打点と低迷。球界での評判も下落傾向にあったが、ナインからの信頼は絶大だった。理由は7日の球団激励会でのことだ。坂井オーナーら本社幹部も出席する毎年の行事で、激励会終了間際には球団歌の「六甲おろし」が大々的に流されるのが恒例。その際、新人選手が登壇して歌うこともあるが、何とロサリオが「俺も出る」と名乗り出て、片言の日本語を駆使し「六甲おろし」を壇上で熱唱したのだ。

 一生懸命な振る舞いに金本監督や選手は拍手喝采。実は乱入前に選手会長・梅野に歌のレクチャーを受けており、場を盛り上げるための計算ずくの行動だったようだ。梅野は「(ロサリオは)いい男ですよ。しっかり、みんなの輪に入ってくれている。野球を常に楽しく、暗くならないようにと心がけているのでムード的にもありがたいんです」と感謝したように、この一件でナインのハートをがっちりつかんだ。ある球団幹部も「チームメートを大事にしていたあのバースも壇上で歌までは歌わなかった。ロサリオは本当に大したヤツだ」と球団初の“珍事”を大絶賛する。

 同僚・西岡のインスタグラムではロサリオが母国ドミニカ共和国の曲を持ち前の美声で歌う映像がアップされて話題になっていた。次はぜひ、お立ち台でロサリオが歌う「六甲おろし」を聞きたいものだ。