大谷メジャー開幕戦で名刺代わりの初打席初安打 8番・DHフル出場

2018年03月30日 14時00分

2回、右前にメジャー初安打を放つ大谷

【カリフォルニア州オークランド29日(日本時間30日)発=伊藤順一】不安一掃だ。エンゼルスの大谷翔平投手(23)が敵地での開幕アスレチックス戦に「8番・DH」でスタメン出場。2回に初球をいきなり右前にはじき返し、メジャー初打席を名刺代わりの初安打で飾った。その後は内野ゴロ3つと三振で5打数1安打ながら、全5打席中4打席でファーストストライクを振りにいく積極ぶり。まずは打者として上々のスタートを切った。チームは延長11回5―6でサヨナラ負けした。

 記念すべき大谷のメジャー初打席は2回に巡ってきた。シモンズの適時打で先制し、なおも二死一塁の場面で相手投手は2016年に10勝をマークしている右腕グレーブマン。敵地でスタンドからはブーイングも起こったが、大谷はその初球を果敢に狙った。内角へのカットボール。迷うことなくバットを一閃すると打球は一塁手の脇を抜けて右前へ。一塁ベース上でグリフィン一塁ベースコーチからグータッチで記念すべき初安打をたたえられた。

 日本選手がメジャー初打席を初安打で飾ったのは当時カブスの福留孝介(現阪神)が08年3月31日のブルワーズ戦で二塁打を放って以来、通算6人目。記念ボールは相手右翼手ピスコティからすぐに一塁ベンチへと送られた。大谷の安打で二死一、二塁とチャンスを広げたエンゼルスは9番マルドナドの適時打で1点を追加した。

 キャンプ中の大谷は投手としてだけでなく、打者としてもオープン戦で打率1割2分5厘と数字を残せなかった。それでもソーシア監督は「ラインアップを見ていい感じだった。投手とのマッチアップが良かったし、こんな感じでいくつか打席数を与えられたらいい。これから段階を踏んでいきたい」と開幕戦でスタメン起用。「彼は23歳だけど今まで(5年間)日本で(プロとして)やってきた過程があるので、その経験は評価できるし我々を助けてくれると思う。彼はハードワーカーで闘争心に満ちている。環境にも慣れてきたし準備は整っている」と万全の信頼で大谷のデビュー戦をお膳立てした。

 大谷にとっては恩返しの一打でもあった。いくら才能に満ちあふれているとはいえ、メジャーのキャンプは初体験。シーズンを迎えるにあたり「本当に周りの方のサポートは力になりましたし(新しい環境に)スムーズに入れた」と首脳陣や医療スタッフへの感謝を口にしていた。投打二刀流のルーキーは100年を超えるメジャーの歴史でも例がない。無事に開幕を迎えられたことには、ソーシア監督も「フィジカルセラピストのバーナード・リー、トレーナーのアダム・ネベラがよく気をつけて見てくれた。それによって翔平の球数や打席数を決めてきた。医療スタッフにも感謝したい」と振り返る。

 4回二死無走者の第2打席は二ゴロ、左腕(バクター)との初対戦となった6回二死一塁の第3打席は一ゴロ、9回は右のスリークオーター、トライネンの初球に詰まらされて二ゴロに倒れた。延長11回の第5打席は空振り三振で安打は1本だけだったが、ファーストストライクから積極的に振りにいった。投手としては4月1日(同2日)の同カードで初登板する。まずは大谷が打者として全米に存在感を示した。

【大谷の話】何とか勝ちに貢献できるように頑張ろうと思った。初打席の感覚はこの先、忘れないと思います。(打ったのは)内角のカットボールですが、初球からしっかり(振りに)いこうと思った。うれしかったですけど、まだ試合が始まってすぐだったので、そんなに感じる余裕はなかったです。(初安打の記念球は)親が来ているので渡します。(打者としては)あまりナーバスになることはない。今日の試合は長く感じました。