大谷 不振でも首脳陣が擁護する理由

2018年03月16日 12時00分

キャッチボールで調整する大谷

【アリゾナ州テンピ15日(日本時間16日)発】いよいよ正念場だ。エンゼルスの大谷翔平投手(23)が16日(同17日)のロッキーズ戦でオープン戦2度目のマウンドに臨む。ここまで投手としてマイナー、メキシカンリーグとの練習試合を含めた実戦3試合(計7回)で10失点。打者としても20打数2安打で打率1割と苦悩が続く。マイナーの招待選手という立場を考えれば、開幕メジャーに向けて克服しなければならない課題は多い。

 ただ、首脳陣は楽観的だ。2打数無安打1三振に終わった前日のインディアンス戦後も、ヒンスキー打撃コーチが「我々としてはポジティブに考えている。(内角攻めや緩急への対応も)打席を重ねていくうちにだんだんと慣れていくもの」と話すなど、深刻に考えている様子がない。

 ソーシア監督のスタンスも同じだ。すでに打者では“マイナー調整”が必要な状況にあるが、今後の投手・大谷のスケジュールについて「残りの試合数(2~3試合)の中でシーズンまでの準備をしてもらいたい」と明言。今季のチームの売りである「6人ローテーション」の一角として、すでに計算していることも示唆している。

 首脳陣がオープン戦などでの結果を度外視し、ここまで大谷を擁護するのはなぜか? これには“大人の事情”も絡んでいる。

 3月29日(同30日)のアスレチックスとの開幕戦(オークランド)はもちろん、4月2日(同3日)のインディアンスとの本拠地開幕戦を含む今季のエンゼルス戦全試合がNHK―BS、Jスポーツとネット動画配信サイトで中継される。それに伴いバックネットに備え付けられる回転広告には日本企業からの広告出稿依頼が殺到。メジャーリーガー・大谷を待ち構えている。すでにあまりに多くの人とカネが動いているのだから、今季のエンゼルスの収益の柱である大谷がホーム開幕に不在など、あってはならないことでもあるのだ。

 この日の大谷は翌日に控えた実戦登板に向け、水原通訳を相手に普段より強めのキャッチボールを行い、フォームの課題を確認するように外野フェンスに向かっても強めの壁当てで調整した。自らも納得し、周囲にも一定の安心感を与えられるような投球をする背水の覚悟をにじませていた。