10年ぶり巨人復帰 43歳・上原の期待度

2018年03月09日 16時30分

10年ぶりに巨人に復帰する上原

 カブスをFAとなっていた上原浩治投手が8日、巨人への復帰を決断した。水面下で行われていた入団交渉が合意に達し、9日に東京都内で入団会見が開かれる。背番号は巨人、メジャーで背負った「19」ではなく、「11」に決まった。10年ぶりとなるかつての「大エース」の復帰は、屈辱のBクラスからの巻き返しを図る巨人には朗報で、期待も大きくふくらむが、果たしてどこまで期待できるのか。巨人時代の同僚の本紙評論家・前田幸長氏の見立ては…。

 日米で輝かしい実績を残したレジェンド右腕が大きな決断を下した。上原はプロ20年目の今季もメジャーで現役続行の道を模索していたが、移籍市場の歴史的な停滞に巻き込まれ、新天地探しは難航。「メジャー契約できなければ引退」との発言を撤回し、日本球界復帰を視野に入れ、今月5日に米国から帰国していた。

 右腕の動向をチェックしていた巨人の動きも素早かった。2008年の退団時には両者の確執が表面化したこともあったが、今月2日には石井球団社長が「春っぽい明るい話。野球ファンの人たちも(復帰が)実現するのであれば喜んでもらえるだろう」と語るなど、現在は完全に雪解け。同じ1975年4月3日生まれで盟友の由伸監督が現場を率いていることもあり、水面下で行っていた交渉はスムーズに進んだようだ。

 では現在の上原にどこまで期待できるのか。前田氏は「これまでメジャーから復帰した選手で期待外れだった選手もいますが、上原は十分に戦力として期待できると思います。日本にいたころとピッチングスタイルもそう変わりないですし、スピンのかかった真っすぐと鋭いフォークはまだまだ衰えたものではありません。現実的に巨人の開幕当初の抑えはカミネロで行くのでしょうが、そこで不安定な投球が続いたりすれば、すぐに『上原を抑えに』ということになりますよ」という。

 とはいえ、上原も今年で43歳。肉体的な部分で不安なところもあるだろう。だが、この点についても「あいつは上半身がめちゃくちゃ強いんです。上半身の故障は聞いたことがないし、肩ヒジは今もピンピンしているそう。ただ、下半身は巨人時代に何度も痛めているように、不安があることも事実ですが、そこはメジャーでごまかしながら調整してきたテクニックがある。決して大きな不安とはならないでしょう」(前田氏)

 その一方、起用法で注目されているのが中継ぎ、抑えではなく「先発・上原」があるかどうか。

「普通に考えれば『ない』とは思いますが、上原は『先発がやりたい』というタイプで、巨人のチーム事情も先発が欲しい。長い目で見て『日本の先発投手は中6日でいい』『6回まで投げればいい』ということを考えれば、調整は先発の方が楽になると思いますし、選手寿命も延びます。上原がそこまで考えれば、あるいは…。このオフは先発用の調整はしてないはずですが、ある程度の時間をもらえて、その気さえあれば、先発も十分あるのではないか」(前田氏)

 戦力としてはもちろんのこと、日米通算134勝、先発、リリーフとして712試合に投げた上原の経験は若返りが進むチームの力となるに違いない。