【核心直撃】毎年2000安打達成を期待されながら「先延ばし」が続くロッテ・福浦和也内野手(42)。金字塔まで残り38本に迫るだけに一日も早く偉業を成し遂げたいはず。プロ25年目の今季は打撃コーチを兼任しながらシーズンを迎える。本人の心境はどうなのか。

 ――2000安打まで残り100を切ったころから、毎年周囲から偉業達成を期待され続けてきた。今年こそは?

 福浦:毎年それはありますよ。昨年もケガさえしなければいけると思ったんですけどね。でも、基本的に僕の気持ちは2000本を打つことが目標じゃない。やっぱりチームの勝ちに貢献できる打撃を心がけているので。その中で達成できればというスタンスは変わっていません。

 ――とはいえ、周囲には何とか達成してほしいという思いがある

 福浦:それは感じますよ。だからこそ、今年はやらなければいけないと思っています。打率3割と2割9分9厘では意味が違うように、2000本以上を打つのと1999本で終わるのとでは明らかに違いますからね。

 ――今季は打撃コーチ兼任。打席数が限られることも考えられる

 福浦:それはないと思います。井口監督からも「選手中心のメニューでやっていい」と言ってもらっていますから。ただ、その前にチーム内の競争がある。監督が代わって、チームも走塁重視とかに切り替わっている。簡単に毎試合出られるわけではないと思いますし、若手選手も育っている。コーチ兼任というよりは、他の選手と競争して自分で試合に出られるようポジションを奪わなければいけない。その中でコーチとしての仕事もしていければいいと思ってます。

 ――定位置争いをしながらの指導は大変では

 福浦:基本的に僕は聞きに来る選手には教える。ただ、これまではコーチという肩書がなかった分、こっそりと教えないといけなかった。打撃の指導は打撃コーチがするもので、そこは立てないと、と思っていましたから。でも、今年は兼任コーチになったので、堂々と指導できる。その意味では良かったと思っています。そういう中で、井口監督と選手のパイプ役になれれば。まあでも、今は自分のことで精一杯なんですけどね。

 ――では今季の目標はやはり2000安打か

 福浦:いや、それは違う。2000安打を目標にしたら38本ヒット打ったら終わりじゃないですか。それでシーズン、終わらせないでよ(笑い)。2000本はあくまで通過点。やっぱりチームの優勝に貢献したい。そのためにもケガをせずに、自分の力を最大限発揮する。そうすれば、自然と一軍で活躍できるだろうし、記録も達成できる。去年、チームも自分も悔しい思いをした分、今年はやりますよ。