13年ぶりのリーグ制覇を狙う阪神が28日、約1か月に及んだ沖縄・宜野座キャンプを打ち上げた。戦力の底上げのため選手を鍛えまくった金本知憲監督(49)は「MVPはロサリオ。4番でいくと思うが、頭のいいバッターで工夫もできる。ベテラン、主力も状態がいい。90~95点かな」と3年目のキャンプを総括。しかし、手放しで喜べる状況ではない。先発陣の窮状が改善されないからだ。

 メッセンジャー、秋山、能見の3人以外は不確定のまま。復活を期す藤浪や岩貞はアピール不足でローテ当確は遠い状況となっている。ドラフト1位・馬場皐輔投手(22=仙台大)も不確定要素があって、当初は中継ぎ候補だったドラフト5位・谷川昌希投手(25=九州三菱自動車)が先発候補になるほどだ。

 そんな事態に指揮官は「安心して6人で回せるというところまではいっていない。早急に対策を練らないといけない。ピッチャーは何人いてもいいというのは言葉通りだな(笑い)」と頭を抱えるばかりだ。

 26日の紅白戦を視察した掛布オーナー付シニアエグゼクティブアドバイザーも「全体的に投手陣が悪過ぎだよね」と顔をしかめていた。他の球団OBも「中継ぎは相変わらずいいし、打線も昨年よりいい。ただ先発投手をどうにかしないとシーズンでは戦えない。誰かが出てきてくれないとまずい」と心配する。

「先発候補には二軍のほうと分担して長いイニングを投げてもらおうと思っている」と今後のプランを明かした鉄人だが、この窮状を打開することはできるのか。