巨人・岡本和真内野手(21)の立ち位置に“異変”が起きている。昨季限りで自由契約となった村田の後継者として三塁のレギュラー候補と注目を集めたが、春季キャンプ中盤を迎え、その風向きが変わってきた。現段階で首脳陣は正三塁手にはマギーを念頭に置き、岡本は一塁へ。定位置確保に向け、阿部とのガチンコ対決の様相を呈してきた。

 4年目の今季もレギュラー取りは険しい道のりとなりそうだ。

 生え抜きの大砲候補としてブレークが待たれる岡本に、またもや巨大な壁が現れた。

 岡本は入団以来、不動の三塁手だった村田の牙城を崩せず、昨季の開幕を左翼で迎えた。しかし肝心の打棒が振るわず、一軍に定着できないまま出場15試合に終わった。ところが、その後のオフに岡本を取り巻く環境が一変。村田の退団に伴い、背番号25も継承し、いよいよ「三塁・岡本」の機運が高まった。

 ただ、現実は甘くない。キャンプで三塁手として出場したのは12日の紅白戦(宮崎)のみ。昨秋のキャンプで再挑戦した三塁での守備練習も今キャンプではほぼ一塁専念となり、他の対外試合を含む実戦3試合は一塁で出場している。

 この状況について、村田ヘッド兼バッテリーコーチは「レギュラーは勇人(坂本)、ゲレーロ、マギーの3人と思っとるよ」と断言。現段階で由伸監督ら首脳陣の構想では遊撃が坂本勇、昨季セの本塁打キングに輝いた新戦力のゲレーロは左翼、昨季は二塁などもこなしたマギーは三塁に据える方針という。岡本は左翼だけでなく三塁も追われる形で一塁でのポジション争いが避けられなくなっている。

 となれば、岡本の最大の競争相手は必然的に阿部となる。チームスタッフは「岡本とマギーでは打撃、守備ともに首脳陣の評価は断然マギーのほうが上。それに首脳陣が岡本を一塁に回す大きな理由の一つは、阿部をここぞの場面で代打で送り出したいという考えがあるから。勝負どころで阿部が残っていれば相手も脅威ですし、年齢的にも今年で39歳。勝負強さは健在とはいえ、さすがに1年間フルにスタメンは難しいとの判断もある」という。

 岡本が掲げた「全試合、スタメンで出る」という目標達成は阿部を乗り越えずして果たせない。今後、岡本は本格化する実戦やオープン戦で結果を出し続け、阿部との“一騎打ち”に勝てるのか。