巨人・野上亮磨投手(30)が18日、移籍後初となる対外試合(対韓国KIA=那覇)に登板し、味方の守乱もあって2回6失点(自責点0)、被安打6とホロ苦いスタートとなった。リーグも変わり、入団1年目から先発ローテの一角を期待されるが、野上が本領発揮できるかを巡っては球団内から一つの“キーワード”が浮上している。

 韓国KIAとの練習試合は快投とはならなかった。野上は3回から2番手でマウンドに上がり、二塁手・吉川尚の失策で二死一、三塁とピンチを広げると、連続適時打で3点を献上。さらに4回は遊撃手の山本の凡ミスや不運な内野安打などが絡み二死満塁から押し出し四球を与え、なおも右中間2点適時二塁打を浴びて計6失点。試合も5―7で敗れた。

 ただ、自責点0ということもあり、由伸監督は「とりあえず今日投げたというところ。まだまだこれからなんでね」とし、斎藤投手総合コーチも「6点取られたけど、守備(の乱れ)があったし」とサラリ。野上自身は押し出しには「(平行カウントから)決めきれなかった」と少し悔しさをにじませながらも「ここから上げていけばいい。まだ気にしなくていいかな」とポーカーフェースで前を向いた。

 期待の新戦力に求められるのは、カージナルスへ移籍したマイコラスの穴を可能な限り埋め、シーズン通してローテを守ること。その野上が活躍できるかどうかについて球団内からは「ベンチがどこまで我慢できるか次第」との指摘が出ている。

「昨季もそうだが、野上は失点をしながらも何とか試合をつくって11勝(10敗)した投手。クオリティースタート(6回以上自責点3以下)も、規定投球回を達成した投手がパ・リーグには13人しかいなかった中で10位(58.33%)と決して悪い数字ではない。ただ、セの場合は序盤に失点をすれば、立ち直る前に早々と代打を送られるケースもあるはず。そうなると粘り強い野上の良さを消してしまいかねない。生かすも殺すも首脳陣の我慢次第じゃないか」(球団スタッフ)

 試合序盤でも代打を送られる可能性について野上は「チームが勝てばいいです」と語ったが…。果たして新天地でどんな活躍を見せるのか。