巨人の2次キャンプが15日、沖縄・那覇でスタートした。午前中は投内連係などのチームプレー、午後に入ると阿部やゲレーロら4人を除く野手陣は2グループに分かれて夕方までバットを振り込んだ。連日0度前後まで冷え込んでいた1次キャンプ地の宮崎と比べれば、ナインの動きは軽快そのもの。練習を見届けた由伸監督も「これだけ暖かいと動きやすいと思う。ありがたいと思いますね」と目を細めた。

 ただ、違いは気候だけではない。今月6日から6日間にわたって臨時コーチとして岡本や小林らを打撃指導した松井秀喜氏(43)が、役割を終えてすでにチームを離れた。松井氏は今後も動画をチェックするなどして“遠隔レッスン”をしていく意向だが、現場レベルでは貴重な教えをどう継承していくのか。

 その役割を担うのが、村田真一ヘッド兼バッテリーコーチ(54)だという。滞在中のグラウンドでは、松井氏にほぼ付きっきりでコミュニケーションを取り、現場では「松井さんの助言を一番吸収したのはヘッドじゃないか」とさえ言われている。

 当の村田ヘッドは「(松井氏が)言っていることは分かりやすいからな。伝えていくことも必要やと思うわ」とゴジラの“化身”となる覚悟を決めた様子で、この日はフリー打撃のメニューを終えた岡本を呼び止め、ケージ横で身ぶり手ぶりを交えて約5分間レクチャーした。岡本によると、その内容は「松井さんに言われたことをちゃんと意識してやっているか?という話でした」。軸足に体重を残すゴジラ打法を継続できているか、しっかりとチェックを入れていた。

 その一方で「ヘッドのあのコテコテの関西弁でゴジラの真意がちゃんと選手に伝わるか…」(チームスタッフ)といった不安の声もあるが、ひとまずゴジラ不在の懸念は取り払われている。