昨年3勝と大不振に泣いた阪神の“悩める右腕”藤浪晋太郎投手(23)が15日、沖縄・宜野座キャンプを視察した大物OB・江夏豊氏(69)から苦言を大連発された。
必死のフォーム固めなど完全復活に燃える藤浪のブルペン投球を眼光鋭くチェックした江夏氏は「6年目にして花が咲いて、本当の意味で大阪桐蔭で優勝した時のような雄姿を見せてくれれば。素晴らしいものを持っているんだから」と一応のエールを送ったまでは良かったが、ここからが本番…。
「フォームを自分で触り過ぎている。もっと大胆でいい。ステップがどうとか、ああだこうだと考え過ぎるとかえって答えは出ない。『あとはボールに聞いてくれ』とかこれからはずぶとい神経が要求される。(今は)自分で自分を苦しめて小さくしている」「どう変わろうとしているのかがハッキリしない。心の底から強くならないとうわべだけをいじってもダメ。死球で崩れるのは精神的なもの。自分のミス、野手のミスでもそれで動揺するような精神状態ではエースと呼ばれるには寂しい」と例年にはなかった“これでもか”の辛口オンパレードだ。
どれも本人にとっては耳の痛い話ばかり。チーム内から「これまでなら“また言われた…”という感じだろうけど、江夏さんの厳しい言葉を逆に“見てろ!”とモチベーションにするしかない。すべては期待の裏返し。結果が出たら江夏さんも何も言わない」(球団幹部)と、発奮材料として利用しろとの声が出たほどだ。
当の藤浪は16日の楽天戦(宜野座)の登板に向けて「紅白戦では変化球が入らなかったのでカウントを取る投球をしないといけない」など課題を語ったが、江夏氏の話を向けられると「特に…」とダンマリ。いろいろ思うことはあるだろうが、大先輩の苦言を封じるには結果を出して見返すしかない。