【アリゾナ州スコッツデール12日(日本時間13日)発】日本ハムのドラフト1位・清宮幸太郎内野手(18=早実)が、キャンプ地視察に訪れた侍ジャパンの稲葉篤紀監督(45)と対面し、打撃練習を披露。トス打撃ながら快音を響かせた。また、午後に行われた紅白戦には紅組の10番・一塁として先発出場し、守備のみでフル出場した。侍指揮官の評価は――。

 清宮がグラウンドでウオーミングアップしていた午前9時過ぎ、侍の指揮官が球場へ到着した。アップが終わると、稲葉監督は集まった日本ハムナインらを前にあいさつ。その間わずか数分ほどだったが、怪物ルーキーも真剣な面持ちで耳を傾けた。稲葉監督がナインに熱視線を送る中、清宮はその様子にも動じることなく普段通りに練習。守備や走塁練習を淡々とこなした。

 一通りのメニューを終えると、バットを持った清宮は打撃ケージへ。緒方野手総合コーチ指導の下、軽く2回素振りを行うとすぐさまトス打撃を開始した。その様子を木田GM補佐に付き添われた稲葉監督も見守った。清宮は物おじすることなく20球バットを振り、全てで快音を響かせた。

 そんな怪物ルーキーの姿をさらに近くで見ようと、稲葉監督は目の前まで移動。トスを上げる緒方コーチの横で、食い入るように見つめた。清宮は強度を上げたスイングで、さらに31球を打ち込み、計51球で打撃練習を終えた。清宮は「打撃はまだまだかな、と。無理しないで見極めながらやれれば。だんだん力のパーセンテージは上がってきてます」と物足りなさを感じている。

 緒方コーチは練習後「5割くらいの力で振るのかなと思ったら、結構振っている。7割くらいの力かな。本人も7割くらいは振れてますって言ってたから、明日くらいに(打者としても)試合で出れそうだね(笑い)」と冗談を交えて評価した。

 清宮はその後、紅白戦に紅組の10番・一塁で先発。守備のみでフル出場した。守備機会は計9度で打球処理は2度。2回二死では大嶋の一、二塁間のゴロを捕球し、ベースカバーのロドリゲスへトス。6回は先頭・清水が一塁線に放った強烈なゴロを捕球できずに安打にしてしまった。

 稲葉監督は清宮を2020年の東京五輪のメンバーの有力候補と明言している。「(栗山監督とは)打撃の話で、(清宮は)やっぱり良いよね、と。ちょっと僕に感じが似てるので、フォームはいじらないで、そういうのも含めてやってくれないか、と(話された)」と満足顔だ。守備については「一生懸命やっていて良いんじゃないですか。守備というのは脚を使わないといけない。下半身を使わないといけないという面では投げることも同じ。それは打撃にも絶対生きてくると思う」と評した。

 清宮は稲葉監督について「日本代表の監督でファイターズの大先輩。そういう方の前で、本調子ではないですが顔を合わせられて良かったです」と話した。そして「(侍ジャパンへは)入れれば入りたいです。(自己条件として)やっぱりファイターズの主力になってないといけないと思いますし、自分がいなきゃ勝てないと思われる存在になっていたいと思います」と断言。侍ジャパン入りへの決意を新たにした。