【アリゾナ州スコッツデール7日(日本時間8日)発】日本ハムのドラフト1位・清宮幸太郎内野手(18=早実)が、チームのムードメーカー・杉谷拳士内野手(27)の“薫陶”を受けた。ぎこちなさの目立った前日の特守では思わず「下手くそっす!」と苦悩の表情を浮かべたが、この日の特守には杉谷が緊急参戦。プレーで手本を示し、声で場を盛り上げる好アシストもあり、計53本のノックをほぼノーミスと進歩を見せた。

 ランチ後の午後1時10分から始まった2日目の特守は、清宮と2年目・森山恵佑外野手(23)、さらに杉谷が加わった。グラブ側、利き手側、正面と転がってきた打球に対し、どのように体を入れてグラブを使うとスムーズな送球につながるのか。その理論を、金子誠内野守備コーチ(42)が杉谷でレクチャーした。

 杉谷は「Show me!(正しくはLook at me)このイメージでやってみて!」と打球への入り方、グラブの正しい角度などを実演。それを見た2人も同じようにステップを踏み、グラブを胸に引きつける動きを反復した。

 ノックの序盤、金子コーチから「拳士、何で呼ばれているか分かるか?」と問われた杉谷が真面目に答えようとする“ボケ”を見せると、「場を盛り上げるためだよ!」と即ツッコミ。このやりとりで場が和むと、清宮もリラックス。「お願いします!」の掛け声のトーンも自然と大きくなった。そんなムードメーカーに引っ張られてか、53本のノックはほぼノーミスだった。

 終了後、清宮は「(杉谷さんが)すごく盛り上げてくれて。楽しんでやれますよね。自分も高校の時は声出すほうでしたし、やっぱりプロになっても、ああやって声出してやったりというのは盛り上がる部分でもあるし、すごく練習にも気合が入ると思います」と感謝。技術的な進歩については「自分の中でも結構しっくりくる部分はありますし、スローイングとかも球がいい感じに入ってるなと思いますし、そういうところでも良くなっていると思います」と手応えを感じた様子だった。

 一方の杉谷は「すごいですよね。高校生で入って、ノックとか、みんなと一緒にやっている。(自分は1年目に)一軍のシートノックなんか入れなかったですからね。メンタルがすごいと思います」と度胸の良さをたたえた。ただ「元気はね、どうなんすか? もっとガツガツいってもいいとは思いますけど。せっかくマンツーマンでやってもらってますし、僕が1年目だったらガツガツと『誠さーん、なんでこうなんですか! もっともっと!』と言っている」と注文も忘れなかった。