【アリゾナ州スコッツデール31日(日本時間1日)発】日本ハムの黄金ルーキー・清宮幸太郎内野手(18=早実)が翌1日(同2日)、いよいよキャンプインを迎える。痛めた右手親指の影響で初日は別メニュー調整で打撃練習は回避する可能性が高い。豪快な柵越えはお預けになりそうだが、グラウンド外では早くも本領を発揮。周囲を驚かせている。

 オフだったこの日、清宮はグラウンドには姿を見せず、クラブハウス内で負傷した右手親指のケアや軽めのトレーニングを行った。チームの高卒新人野手としては2008年の中田以来となる一軍キャンプスタートとなり、注目を集める清宮だが「語学力」でも関係者を驚かせている。

 アマチュア時代から多くの海外遠征を経験している怪物ルーキーはアリゾナキャンプ参加決定後、やりたいことを聞かれると「ちゃんと英語を使いたいですね」と笑顔。ダイヤモンドバックスの施設で練習するとあって、自主トレで訪れるであろうメジャーリーガーとの対面、会話に思いをはせていた。

 そんななか、30日(同31日)に早くも得意の英語力を発揮した。相手は現役メジャーリーガーではなく、今季新加入したメジャー通算17勝右腕、ニック・マルティネス投手(27=前レンジャーズ)だ。初対面の際に、自ら「ナイス・トゥー・ミー・チュー」と話しかけて握手。その場には担当のジェラード通訳も同席していたが、頼ることなくスラスラと自己紹介したという。

 マルティネスは国際性に驚くと同時に清宮の恵まれた体格にも目を丸くした。「まだ高校生なのに(身長184センチ、体重102キロ)、こんなに大きいんだね」。身長185センチ、90キロの右腕は数字的に変わらないが、威圧感を感じたようだ。2人の会話を見守っていたジェラード通訳は「日常会話レベルは問題なくしゃべれますね。何より自分から積極的に話しかけに行ってるのがすごい。僕はいらないかもしれませんね…(笑い)」と脱帽していた。

 清宮の英語力の秘密は日常生活にもある。清宮の同期でドラフト2位・西村天裕投手(24=NTT東日本)は鎌ケ谷での新人合同自主トレ中に、こう明かした。「普段の何もない時でも英語を口ずさんでますよ。たまに自分にも英語で話しかけてくるので『なんて言ってるんや?』と聞くんですが、結局教えてはくれないんです」。英語でいじってくるという。

 将来のメジャー志望を公言している清宮だが、多くの先輩日本人メジャーリーガーが苦しんだ「言葉の壁」はクリアできそうだ。