阪神の新助っ人ウィリン・ロサリオ内野手(28=前韓国ハンファ)が28日に来日し、西宮市内の球団事務所で入団会見を行った。メジャー通算71本塁打、球団史上最高額の推定年俸3億4000万円で入団した4番候補は「パワーとコンタクト、そして打点を稼ぐ、この3つがセールスポイントだ。足にも自信を持っているから貢献したい。優勝できるよう自分の力を全うしていきたい」と力強く抱負を語った。

 具体的な数字目標は「特に設定しない。30本と決めて達成できたら満足してしまうから…」と殊勝な態度。打順やメジャー時代の捕手経験を含む守備についても「監督が言った打順でしっかり仕事をする。守備も内野なら内野、捕手なら捕手と監督に言われたところをやるだけ」と自ら“何でも屋”を志願するなど、まさに金本監督好みの勤勉タイプだ。

 そんなロサリオへの期待は過熱している。球団営業部では今春キャンプから異例の早さでタオルなどグッズを発売することが決定。一方、メディアはロサリオの評判を聞こうとテレビ局が韓国まで現地取材に行くなどフィーバーは日増しに強まっている。そんな中、球団もこのまま虎の子の助っ人を重圧で潰すわけにはいかない。

 あるフロント幹部は「今年のウチの目玉は他に大きな補強もしていないこともあってロサリオ一人といってもおかしくない。取材や出演依頼は多数来ているが、真面目なロサリオが全部それをこなすのは大変。野球に集中できる環境をつくるのが我々の役目で取材はできる限り選別したい」と“露出制限”させる方針という。すでに個別の出演依頼などは全件断っているという徹底ぶりだ。

 愛称は「トロ(スペイン語で闘牛の意味)」。メジャー在籍時に米国野球殿堂入りした伝説の元メジャーリーガー、オーランド・セペタ氏から命名されたという。「(日本でも)トロと呼んでほしい」と話す助っ人が球団の手厚い“保護”を受けてどう活躍するか、注目だ。