阪神の合同コーチ会議が24日、甲子園球場で行われ、春季キャンプに向けた選手の一、二軍の振り分けが決まった。

 金本知憲監督(49)はキャンプに向けて「3年目になって選手は空気感を分かってきている。前向きに明るくいいものを出してやってほしい。明るさから勢いをつけていきたい」と抱負。ドラフト1位・馬場皐輔投手(22=仙台大)を順当に一軍スタートさせる一方、「体はまだできていないけど潜在能力はすごい!」と二軍スタートながらこの日初めてブルペン投球を視察したドラフト2位・高橋遥人投手(22=亜大)を絶賛した。

 今回は「グラウンドですべてやる。宿舎ではしっかり栄養を取ったり、ご飯を食べて選手同士のコミュニケーションを取ることも大事」(片岡ヘッド兼打撃コーチ)と異例の夜間練習なしも決定。そんななか、ささやかれているのが例年にないほどの入れ替え激化だ。

「今回はかなりの頻度でキャンプ中の一、二軍の入れ替えが起きるんじゃないか。矢野二軍監督はファームの選手に『良ければ一軍に推薦するぞ』とよく言って励ましている。金本監督も矢野さんのことは信頼しているので一軍昇格のチャンスが増えるはず。逆に一軍スタートの選手も安心していたら即刻二軍行きということもある」(チーム関係者)

 昨年、春季キャンプでの一、二軍の入れ替えはゼロだった。イキのいい選手が出てこなかったことが最大の理由だが、金本監督と掛布前二軍監督の野球観の違いから連携に食い違いがあったことも一因。しかし、今年からは指揮官と“同級生コンビ”の矢野燿大二軍監督(49)が誕生。「同じような野球観を持っていると思う。使ってもらえる選手を送り込みたい」と意気込み、金本監督も「2年間一緒にやって十分理解してくれているので今更、確認することもない」と信頼を口にするほどの仲だけに“ホットライン”に熱視線が注がれているというわけ。

 二軍での評価がそのまま一軍切符につながるとあって、ナインは「結果を出せば一軍に行くチャンス。モチベーションが上がる」と意欲満々。沖縄・宜野座―高知・安芸間の選手の行き来が激増しそうだ。