日本ハムの清宮幸太郎内野手(18=早実)が21日、千葉・鎌ケ谷の球団施設で、右手親指を痛めて以来初となる新人合同自主トレに参加した。清宮は18日の練習中に右手親指を痛め、翌19日に都内の病院で診察した結果「右手母指基節骨骨挫傷」と判明。米国・アリゾナ州で行われる一軍キャンプへの参加に影響はないとみられるが、打撃練習や送球練習が1週間ほど制限されている。

 この日は9時半過ぎにグラウンドに姿を現すと、これまで通りジョギングやストレッチでアップ。ランメニューも軽快にこなしたが、その後はほかの選手とは別メニューに。右手親指に負担を掛けないよう、ノックを受ける際には返球はせず、近くに置いたケースにボールを入れる形で練習を行った。

 ここまで精力的に自主練習も行っていた清宮だったが、この日はウエートトレーニングを終えるとそのままクールダウンを行い、早めに練習を切り上げた。ケガの状態について清宮は「とりあえず1週間は(負担を掛けないように)、と言われてます。(練習に制限がかかり)不完全燃焼なところはありますが、仕方ないですね」と淡々。それでも「もどかしさ? これから出てくると思います。けどテスト期間だと思えば(笑い)」と、練習が休止となる学校での試験期間中に例え、報道陣の笑いを誘った。

 そんな清宮は、新人選手で一軍キャンプに参加する唯一の選手。高卒新人ながら一人だけ渡米するため、親しい選手には不安な心境も吐露しているという。その気持ちを払拭すべく、海外生活での支えとなるキーマンが、母校・早実の先輩である斎藤佑樹投手(29)だ。自身も新人時代にただ一人の一軍キャンプを経験。「自分も不安でしたよ。これだけ注目されてるわけですから」と自身の過去を振り返った。

 慣れない環境での生活に斎藤も苦労したというが「自分の場合は武田勝さんによく面倒見てもらいましたね」と、先輩投手に世話をしてもらったという。当然、先輩に受けた恩は後輩に返す。「新人のうちは食事の管理も厳しいからなかなか難しいかもしれないけど、幸太郎も連れ出せるなら連れ出してね、ご飯でも一緒に行きたいですけどね」。続けて「ようやくゆっくり話す時間ができる? そうですね」と笑顔で語った。頼れる先輩がそばにいるからには、アリゾナでの生活も不安はなさそうだ。