阪神のドラフト1位・馬場皐輔投手(22=仙台大)が18日、鳴尾浜球場での新人合同自主トレで初のブルペン入り。2年目捕手の長坂を立たせたまま力強いボールを35球投げ込んだ。昨年12月末以来のブルペンだという金の卵は「思ったところにしっかり投げられた。今後は指先に掛かるボールを増やしたい。スナップでボールを押し込む感覚を磨いていきたい」と手応えを口にした。

 そんな右腕の投球にネット裏から熱視線を送った矢野燿大二軍監督(49)は「球の力はある。スケールの大きいピッチャーを目指してほしい。三振を取れるとかバットに当てさせないとか打者をねじ伏せるようなピッチャーになってほしい」とエール。最速155キロ右腕がついにベールを脱いだ格好だが、期待値が高いがゆえに気になることもあるという。

 チーム関係者は「練習でも寮の中での食事でも同期の選手に順番を譲ってあげるなど、おっとりしていて本当に人がいい。ただ、それがマウンドでは命取りになることもあるから、あまり人が良過ぎても心配。キャンプが始まってユニホームを着れば変わってくれるのかもしれないが…」。常に低姿勢で性格の良さは二重丸なのは間違いないが、弱肉強食のプロの世界で頭角を現すためには、ドラ1といえど「われ先に!」という“ガツガツ精神”も必要というわけだ。

「変に背伸びをしても僕は僕なので。自分を大きく見せないでやるべきことをやっていきたい」とマイペースを強調する馬場。先発ローテ切符をつかむため、キャンプでは猛アピールといきたいところだ。