最年少殿堂・松井秀喜氏「巨人監督」のタイミングはいつか

2018年01月17日 11時00分

松井氏(左)が由伸監督からバトンを引き継ぐことはあるのか

 今年の野球殿堂入りが15日、東京都内の野球殿堂博物館で発表され、プレーヤー表彰で日米通算507本塁打を放った松井秀喜氏(43)、1492試合連続フルイニング出場のプロ野球記録を持つ阪神の金本知憲監督(49)、エキスパート表彰では前巨人監督でリーグ優勝7度、日本一3度の原辰徳氏(59)が選ばれた。なかでも松井氏は史上最年少での殿堂入りとなったが、気になる今後はどうなるのか。巨人監督就任のタイミングはいつか――。

 史上最年少となる43歳7か月で殿堂入りを果たした松井氏は、現在の生活拠点となっているニューヨークで仕事のためスケジュールの調整がつかず、この日の通知式は欠席した。

 式典では代理で出席した実父・昌雄氏が「私は20年間プロ野球選手としてプレーしましたが、NPBでプレーしましたのは半分の10年だけです。それにも関わらず、野球殿堂入りの名誉を頂けましたことを関係者皆様に感謝申し上げます」などと記された松井氏のメッセージを代読すると、巨人・長嶋終身名誉監督からの「松井君には、いつの日か指導者としてその手で次代の日本を背負える4番打者を育ててほしいと願っています」と記されたお祝いメッセージが読み上げられた。昌雄氏も「いつか必ず日本へ帰って来て、少しでも日本の野球の発展に尽くしてほしいと思う」。

 今回の殿堂入りを契機に、再び「松井待望論」が広がりつつある。

 では、松井氏の巨人監督はいつ実現するのか。実は、松井氏に近い人ほど「巨人復帰は実現しないのではないか」と言う。私もニューヨークでの家族との暮らしを考えると、子供が独り立ちして奥さんに相手にされなくなってから、ようやく日本復帰を考えるのではないかと見ている。今はメジャーの年金もあるし、生活するには困らない。何よりその方が「楽」だから…。

 ただ、その一方でこの状況は、メジャー移籍を決断した2002年の状況と非常によく似ているとも思う。あの時も松井氏に近い人たちは「お世話になった周囲の人たちのことを考えたら巨人に残留するのでは」「日本にいたほうが絶対に楽」と口を揃えた。あの時、松井氏は自宅マンション前で私の最後の取材に対して「これからゆっくりビデオでも見ながら考えるよ」と言い残すと、一夜明けて、手のひらには忘れないよう「裏切り者」とマジックで書き「裏切り者と思われるかもしれませんが…」で知られるメジャー挑戦会見に臨んだ。自分の「夢」を優先して。

 周囲によく気を配り、気さくでフレンドリー。ちょっと悪く言えば八方美人。それが松井氏であることには間違いないのだが、ここぞという時に「裏切る」のもまた、松井氏なのだ。

「監督をやりたい気持ちはあるよ。でもねえ…」。その言葉の後に続くのは、いろいろなしがらみを考えてしまういつもの松井氏のクセなのだろう。だが、ホンネは「監督をやりたい」。「長嶋さんが説得すれば断れない」という人もいるが、そんなのは関係ない。長嶋さんが引き留めても松井氏はメジャーに行った。大事なのは、松井氏がいつ、自分の気持ちに正直になるかだけだろう。

 そのタイミングが由伸監督の次になるのか、次の次になるのかは断言できない。だが「由伸監督の次」となっても驚けない。それは松井氏の「本性」は裏切り者だから…。もちろんいい意味ですが。

(1993~2006年、松井担当・溝口拓也)