日本ハムのドラフト1位ルーキー・清宮幸太郎内野手(18=早実)が11日、NPB新人選手研修会後に都内で行われた「テレビ朝日ビッグスポーツ大賞」に出席、侍ジャパンの稲葉篤紀監督(45)と対面した。表彰式では早くも2020年東京五輪での代表入りを期待された清宮だが、その異例ともいえる注目度には稲葉監督も期待半分、心配半分。そんな世間の大注目にさらされる18歳に、侍指揮官が金言を贈った。

 大注目の怪物ルーキーにふさわしい、超多忙な1日となった。清宮はこの日、新人選手研修会に参加するため午前10時前に東京ドームホテルに到着。午前中は野球殿堂博物館でプロ野球の歴史を彩った品々を興味深く見学した。午後からは約4時間にわたる講義に真剣に耳を傾け、午後5時の講義終了後はすぐさま都内の表彰式会場に急行。高校通算111本塁打の実績をたたえられ特別賞を受賞すると、東京五輪日本代表への決意を表明し、午後6時過ぎに会場を後にした。

 新人選手研修会後、清宮は「殿堂入りの方々の資料を見て、いずれ自分もここに名前を連ねたいなと思った。座学の講義もタメになる話ばかりで、プロとしてどういう人間になっていかなきゃいけないのか、しっかり見極めていい大人になりたいと思います」と気持ちも新た。表彰式では壇上で「まだまだ何も成し遂げていない身ですけど、代表に入れる可能性もないわけではない。自分もオリンピックの代表選手となれるように、これから一日一日精進していきたいと思います」とあらためて2020年東京五輪への思いを語った。

 いくら注目選手とはいえ、新人研修会直後のルーキーがいきなり代表入りの期待をかけられることは異例中の異例。稲葉監督も「あれだけホームランを打ってますし、バッティングは非常に魅力的なものを感じます。(日本代表の)リストに入っている? まあ、そうですね。2年半後に向けて清宮選手が出てきてくれると、また野球界が盛り上がっていくのかなと思うので。期待はしています」と語ったものの、舞台裏では「『焦るなよ』ということは伝えました。どうしても注目されて『何かやらなきゃ、何かやらなきゃ』という焦りはけがにつながりかねない。プロに慣れることが今年は大事」と過大な期待にさらされる黄金ルーキーに助言を贈ったという。

 この日、日本ハムのキャンプ地・アリゾナを視察することも明かした侍指揮官。周囲の期待をよそに、焦ることなく結果を残せるか。稲葉監督の金言を胸に、いよいよ怪物のルーキーイヤーが始まる。