【核心直撃】プロ野球歴代28位タイの357本塁打、歴代3位の通算6度の本塁打王に輝く西武・中村剛也内野手(34)が、自主トレから精力的な打ち込みを続けている。昨季は規定打席に到達したシーズンとしては、自己ワーストの打率2割1分7厘、27本塁打、79打点と不完全燃焼。指定席の「4番」を成長株・山川に奪われ、年俸も1億3000万円ダウンの2億8000万円(推定)に。“おかわり復権”にかける17年目の覚悟と手応えを聞いた。

 ――今の状態は

 中村:普通ですね。普通にできたら一番いいかな。

 ――全盛期と比べて年齢との闘いを意識するか

 中村:そうでもないですよ。(同じ練習は)できますよ。やっていることは変わらない。年齢ということについては止まったら、そこからのリスタートが難しくなる感じはあります。

 ――考えていることと結果にギャップが出ているのか

 中村:それは自分の力不足でしょ。去年は、もっとできたと思う。別に変えたところはないんですけど、去年のCSの前くらいに、ちょっと気づいたことがあった。ああ、こういうことねと分かったことがあった。そこをうまくやっていけば、まだまだいける感じはある。

 ――不振の原因が分かった?

 中村:そうですね。一昨年、右ヒザが痛かった影響で、去年は結構そこに負担がかからないように打っていた。そうすることで結果、下半身が使えていなかったとか、ちょっとしたところで(打撃に)影響が出ていた。右ヒザの痛みに対してビビり過ぎていた。

 ――それが分かるまでに必要な試行錯誤だった

 中村:そうですね。去年(27本塁打)、一昨年(21本塁打)と結果が出んかったし、一昨年なんか右ヒザの影響をモロに受けてた。去年は痛くなかったんですが(痛みが)出ないように、すごく気を使って。まぁ結局、そうやってかばうと自分本来のスイングができなくなる。結果は相手もいることだし、出ないことのほうが多い。去年の初めは、ずっとタイミングは合ってなかったのに打ててしまっていた。多少の経験はあるし、体も元気だったから。それでカバーできていた。ただ疲れてくるとタイミングのズレというのがどんどん広がっていって、修正が利かなかった。

 ――それを踏まえて今季はどうする

 中村:そんなにヒザのことを気にせずにできている。去年は1年間負担がかからないようにやってたから今は逆に、ちゃんと負担をかけてやっている。戻りますけど、それが去年の最後のほうに、ふと気づいたんですよ。練習中に気づいて、CSはあんま打てんかったけど(12打数3安打、1本塁打)自分の中では、いい感じはあった。短期決戦やから結果が全てなんですけど、あのまま、もしシーズンが続いていたなら多分ですけど、いい内容で打てていたと思う。

 ――その感覚をつかんだ意義は大きそうだ

 中村:すごく大きい。ケガのリスクを回避するんじゃなくてケガ込みでやる。それが自主トレとかやっていて普通になれば、シーズンでも普通になるわけだから。今は意識してやってる。

 ――今季はプロ17年目。それでも野球は難しい

 中村:難しいね、本当に。ボールは止まってないからね(笑い)。今年は、がむしゃらにいこうと思ってますけどね。

 ――定位置の4番を奪い返しにいかないと

 中村:それもあるけど、もう一回レギュラーを取る。まだまだ打球を飛ばせるし、自分のバッティングを見つめ直すというか、それを突き詰めていく作業ですね、今やっているのは。上ではなく下の動き。それが一番難しい。下半身って、うといじゃないですか。それをしっかり覚えさす。もう一回やる。だから今しっかり打ち込む。去年の自主トレの時より今のほうが打球が強い。まだ3回ぐらいしか打っていないけど下の使い方は、この2~3年で一番いいんじゃないかな。

 ――今季復権できれば40歳現役も見えてくる

 中村:結構長いな…5年以上ある。今までも考えてこなかったし(意識)できないですよ。先のことなんか。一年一年が勝負です。