大谷 エンゼルス入団で先発5人制と食文化が変わる?

2017年12月27日 11時00分

決意を語る大谷

足で稼いで20年 外国人選手こぼれ話 広瀬真徳】大谷翔平(23)の移籍先がエンゼルスに決定した。当初はメジャー複数球団による争奪戦で交渉が長期化すると思われたものの、予想外の早期決着。本人は会見で「本当に感覚的なもの。気持ちの部分でエンゼルスにしたいな、というものが僕の中に出てきた」と決断までの経緯を説明したが、プロ入り直後から「時間があればメジャーの試合は見ている」と話していた大谷のこと、エンゼルス入りに至るまでには相当な研究と調査があったに違いない。

 そんな大谷のエンゼルス入りで今、注目を浴びているのがメジャーにおける様々な「変化」。その一つが先発ローテーションの登板間隔だ。

 通常メジャーの先発投手陣は5人の投手により中4日で回すのが基本。ダルビッシュらが疲労回復を考慮して日本流の「中5日、6日登板」を提言しても実現しなかった。ところが、二刀流を実践する大谷が加入となればこの問題を無視できない。エンゼルスはすでに大谷の投打での起用を想定し、「先発6人制」を示唆している。大谷加入がメジャーの「既成概念」を壊すのも時間の問題だろう。
 もう一つ、大きく変わるであろう点が「食文化」だ。

 メジャーの各球団では、選手用としてクラブハウス(ロッカールーム)に試合前と試合後、食事が用意される。ところが、提供される食べ物はお世辞にも「ヘルシー」とは言い難い。サラダや豆料理はともかく、チキンやバーガー、ピザにローストビーフ等々。デザートには脂質の多いケーキなども並ぶ。「自分の体のために食事を取る」と公言する二刀流がこうした料理に手をつけることは考えにくい。大谷のメジャー昇格に合わせ、エンゼルスも好みに合わせた食事を提供するだろう。そうなれば、質より量重視のメジャー選手の食文化も一気に改善される可能性を秘める。

 実際、2007年のレッドソックスではこんなことがあった。この年、チームには松坂大輔と岡島秀樹が同時に加入。両投手の活躍を後押しすべく、球団は日本人シェフを雇い、選手への日本食提供を始めた。効率的にエネルギーを補給できるうどんやそばに加え、いなりずしやおにぎりなど。チームの主力だったデービッド・オルティスやマニー・ラミレスらは当初、こうした食事を奇異の目で見ていた。

 ところが、徐々に日本食の良さを理解したのだろう。シーズン開幕から1か月もたたないうちにチーム内で日本食が浸透。各選手がおにぎりを頬張る姿が目立つようになるなど、食事に対する意識がチーム内で高まった。あれから10年。エンゼルスが大谷のために「食改革」を進めれば同じ光景がよみがえるかもしれない。

 二刀流による野球選手の概念だけでなく、メジャーの仕組みや文化をも一変させそうな大谷。いろいろな意味で興味は尽きない。