阪神の“元守護神”藤川球児投手(37)が12日、契約更改に臨み、現状維持の年俸2億円でサインした。2年契約の最終年だった今季は52試合に登板し、3勝0敗9ホールド、防御率2・22。今回、新たに単年契約を結び「(球団から)若い選手らをサポートしてくれているとか、ベテランの価値を認められたのは人間的にうれしい。でもプレーヤーは数字が一番大事。この2年間は随分迷惑掛けたな、という感じ。今年の終盤、自分では手応えをつかんでいるので来年は早めにエンジンをかけていきたい」などと抱負を語った。

 13年ぶりのV奪回には「それしかない。達成できればいつでも満足してユニホームを脱げると思う」との“ドッキリ発言”まで飛び出したが、チーム内には「来季こそ守護神で!」との声が強まっている。

 かつて藤川とともに最強救援トリオ“JFK”の一員だった久保田智之氏(現阪神プロスカウト)は「自分は球児が後ろで投げる姿が見たい。今年の終盤の力を考えれば来年できるんじゃないかと思っている。リードされた場面で投げたりと今年のような起用も割り切ってやると思うが、そのままで終わる男じゃない」。球団関係者も「(現ストッパーの)ドリスも来年は疲労などでどうなるか分からない。セットアッパーの桑原も同じ。球児の力が抑えで必要になってくるはず。球児もしたたかだし、その辺も来年は考えてると思う。去年不振だったのはその前のメジャーでほとんど投げてなかったこと、先発調整したことの影響があったから。(右ヒジ)手術して来年で5年目。一番いい状態を迎えると確信する」と今季60試合以上を投げた救援コンビの穴を埋める一番の存在として期待した。 

 来季はかつての姿が見られるのか…。いずれにせよ、この男抜きでは面白くない。(金額は推定)