巨人・坂本勇人内野手(28)が1日、都内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の3億5000万円でサインした。今季は142試合に出場し、一時は打率首位を走ったが、後半戦に入ると急失速。打率2割9分1厘、15本塁打、61打点と主要3部門で前年を下回る成績に終わってしまった。そんな主将は、若手に思うところがあるようで…。

 契約後の会見では「僕も後半戦は調子を崩してしまった。コンディションの問題もあったし、技術的に修正できなかったのは未熟な部分」と自身の低迷をわび、11年ぶりのBクラスに沈んだチームについては、主将として「4位という成績はチーム全員が重く受け止めないといけない」と話した。

 村田、相川らベテランが続々と去ったチームの中では坂本勇も、もう若手ではない。「メディア等では若い選手が出てこないといわれる。若い選手がレギュラーを取って試合に出れば、僕らにも刺激になる。こんなこと言う立場じゃないが、若い選手はもっと自覚を持って、やらないといけないんじゃないか」とヤングGにハッパをかけた。

 若手に厳しい姿勢を示すだけではなく、今オフはリーダーとして球団側とも強気の姿勢で渡り合っている。巨人の選手間では近年、年俸面でFA選手などの“外様組”を優遇することへの不満が高まっていた。ある若手によれば、契約更改を前に「今年は勇人さんと菅野さんが中心となって『簡単に折れずに闘おう!』と生え抜きに呼びかけていた」という。そうなると、当初はダウン提示が噂されたなかでの現状維持サインは「背中で示した」とも言えそうだ。

 会見では「来年は一年間、優勝するということを強く意識してやっていく。個人的にも最高の一年にしたい」と結んだ坂本勇。急速に世代交代が進む巨人で、主将の存在感はますます高まっている。(金額は推定)