日本ハムからFA宣言した増井浩俊投手(33)のオリックス入りが決定的となった。オリックスでは守護神の平野が海外FA権を行使してメジャー挑戦を表明。球団は同じく阪神からFA宣言した大和内野手(30)の獲得にも乗り出しているが、守護神不在が最大の懸案事項だっただけに関係者もひと安心だ。

 増井は巨人も水面下で調査していたと見られ、球団内には「奥さんが在京志向らしい」「勝負にならない」「もう決まりなんじゃないのか」と劣勢ムードが漂っていた。それがここに来てオリックス入りの流れとなっただけに球団幹部も「巨人に勝ったわけだから価値があるでしょう。巨人はFAで入団した選手があまり活躍できていないというのもあるんじゃないか。条件的にはおそらく劣っていたと思うけど、それなのにウチを選んでくれたというのはチーム環境を考えてのことだろう。金額ではなく、自分の仕事ができる場所ということ。頭のいい選手ですよ」と胸をなで下ろす。

 福良監督にとっても今オフ2度目の“快挙”といえる。先のドラフト会議では社会人ナンバーワン左腕の田嶋大樹投手(21=JR東日本)を競合の末に1位で引き当てた。さらに22日に都内で行われた増井との交渉にも同席しただけに「一緒に日本ハムでやっていたわけですから福良監督の存在は大きい。やっと福が来た。来年は期待できるんじゃないか」との声も上がるほど。この勢いで来季は突っ走りたいところだが…。