日本ハムの新入団選手会見が24日行われ、気温マイナス3度、朝から降り積もった雪の札幌・大倉山ジャンプ競技場でドラフト1位の清宮幸太郎内野手(18=早実)は日本ハムの真新しいユニホームをまとった。

 その背中には先日退団した武田久の「21」が…。日本球界ではほぼ全球団で投手がつけている背番号を、あえて期待のスラッガーに与えた理由を、大渕スカウト部長はこう説明した。

「(背番号の)設定にあたり大変苦労しましたが、本人と会話する中で、過去の高卒有名選手とは違うと感じました。正直で天真らんまんで知的さを感じました。新しいプロ野球選手として、色のついていない番号でと考えました。この番号に命を吹き込んで、世の中に21を広めてください。メジャーを見ればロベルト・クレメンテが背負った番号でもあります。彼は打者として活躍したばかりではなく、社会貢献に力を入れた選手。社会に向けても発信力を持つ人間になってほしいという願いも込めました」

 クレメンテはパイレーツでメジャー通算3000安打を記録。それだけでなく、慈善活動への貢献が後々のメジャーリーガーに大きな影響を与え、その名が社会的貢献をした選手に贈られる賞にもなっている。

 清宮は「21といえば清宮と言っていただけるように。自分の色を出していけるように。そういう意味でこの番号はありがたかったですし、誇りに思っています」ときっぱり。続けて「クレメンテと、ブラックジャックの一番強い番号ですし、2足す1は3。自分に合っていると思うし自分の目指す目標がしっかり込められていて自分だけの番号という感じがものすごくした」と語った。

 これまで「和製ベーブ・ルース」としての期待を受けてきた清宮が「和製クレメンテ」という新たな社会的使命まで背負い、プロ野球界という荒波にいよいよ船出した。