元ヤ軍同僚が松井に「引退撤回」要求

2013年01月26日 11時00分

 古巣・ヤ軍に関わる人物の中で、ゴジラ引退に最も驚いていたのがメジャー通算245勝のペティットだ。

 ベテラン左腕は地元メディアに「ヒデキの引退はもったいない。早過ぎる。体をケアしてゆっくり休めば、またプレーできるのではないか」とコメント。
 それだけにとどまらず「今度彼と会ったら『マイナー契約での現役復帰を目指せ』と勧める」とまで口にしているという。

 ペティット自身も引退撤回の経験がある。2010年に11勝をマークしてチームのポストシーズン進出に貢献しながら、翌年2月に気力の衰えを理由に一度は引退を公言した。ところが12年3月にヤ軍とマイナー契約を結び、1年のブランクを経て現役復帰を表明。昨季はシーズン途中にメジャー昇格を果たすと5勝を挙げ、見事な復活を遂げた。昨年11月28日に、1年1200万ドル(約10億7000万円)で再契約した。

 こうしたバックボーンがあることから、地元メディアやヤ軍関係者の間では「ペティットは自らの経験談をもとに、マツイへ復帰の道筋を本気でレクチャーするのではないのか」と見られているというのだ。

 メジャーでは、引退撤回は決して珍しい話ではない。近年では「ミスター・カムバック」の異名を持つロジャー・クレメンス投手がヤ軍在籍時代の03年、アストロズ在籍時代の04年にそれぞれのシーズン限りでの引退を表明しながらアッサリと撤回。その後は「引退」を口にしないまま07年のヤ軍所属を最後に長らくプレーしていなかったものの、昨年6月には独立リーグのシュガーランド・スキーターズと契約して“3度目の現役復帰”を果たしている。

「ペティットやクレメンスのようなケースは他にも多くある。米国のスポーツ界、特にメジャーリーグでは現役復帰を『美学』と、とらえる傾向があるからですよ。『応援してくれるファンのために、もう一度プレーしたかった』、あるいは『自分を支えてくれる家族が復帰へ自分の背中を押してくれた』などと、もっともらしい理由を口にすれば、その選手はたちまち英雄視されて拍手喝采となるのです。日本では『武士に二言はない』の言葉が広く浸透しているので、なかなか理解し難い面かもしれないですが…」(メジャー関係者)

 ヤ軍は球団OBの松井氏の功績をたたえ、今季開幕前の春季キャンプ期間中の引退試合や公式戦での始球式など記念行事の実施を検討中。実現すれば、ペティットと松井氏の対面は確実だ。

 現役復帰の「成功者」であるベテラン左腕から自らのサクセスストーリーをもとに「ヒデキよ! ユーならば、もう一度グラウンドに立つことができる!」と熱弁を振るわれれば、松井氏の心が多少なりとも揺らぐかもしれない。

 実際に昨年末の引退会見では「僕はあまり引退という言葉は使いたくない。これからまだ草野球の予定も入ってますし、まだまだプレーしたいなと思っています」とも話している。両者のツーショットが今後、大きな注目を集めることになりそうだ。