松坂「日本復帰否定」の裏事情

2013年01月25日 11時00分

 レッドソックスからFAとなり所属先未定の松坂大輔投手(32)が日本球界復帰の退路を断って渡米した背景には、複雑な事情があったようだ。近い関係者に「今年1年は米国一本で頑張ります」と宣言し、野球人生初ともいえる窮地から這い上がる覚悟を固めている松坂だが、置かれた立場は厳しい。キャンプ前にメジャー契約のオファーがあれば御の字で、現実的にはマイナー契約を前提とした招待選手としてオープン戦から結果を残し、メジャー昇格のチャンスをつかまなければならない立場だろう。

 松坂には昨年ソフトバンクに在籍した岡島秀樹(37=所属先未定)と同様、一度日本球界で右肘故障からの完全復活を証明してメジャー再挑戦という選択肢もあったようだが、代理人スコット・ボラス氏への「けん制」の意味もあって国内復帰の保険を自ら断ったという。現状ではメジャー最低年俸保証48万ドル(約4272万円)の1年契約すら厳しい松坂に、日本球団は年俸5億円の複数年契約を用意しているとの情報もあった。こんな日米格差があって、契約のおよそ5~8%が実入りとなる代理人が米国球団とまともに交渉するかは怪しい。そのため「ボラスの本心は『日本』であることを松坂が察知して先手を打った」(近い関係者)というのだ。

 多くの有力選手を抱え、冷え込む移籍市場に苦戦中のボラス氏の松坂に対する扱いが軽くなっていたことも不信感に拍車を掛けたともいわれている。そんな重大決断の意味を察知してか、ボラス氏は松坂の交渉状況について「2、3週間で動きがあるだろう。(日本球界復帰は)現時点で選択肢に入っていない」とコメントしている。あとはその気概を見せる球団がどこになるかだ。