第48回明治神宮大会(11日、神宮球場)で、九州共立大が名城大を8―7のサヨナラ勝ちで下し、8強いりを果たした。

 勝利の立役者はドラフトで指名漏れとなった望月涼太内野手(22)。7―7の9回一死満塁から投手強襲のサヨナラ打を放ち、喜びを爆発させた。

 望月といえば、ドラフト当日、TBS系「ドラフト緊急生特番! お母さんありがとう」で取り上げられ、一家離散などのあまりに悲惨すぎる内容から、一部ネット上で「放送事故」と話題になった。

「(番組の)反響はけっこうあったと思います。いい意味でも悪い意味でも、これだけ注目されることはめったにない。ああいう経験をしたことにも、感謝してというのはおかしいですけど、もう1回、一から2年後(のドラフト指名)を目指そうと思った」

 番組では古田敦也氏からエールを送られたが「あのときは正直真っ白で、古田さんの話も全く頭に入ってこなかったんですが、もう一度(番組を)見直したときに見返してやろうと」。つらい現実に正面から向き合い克服した。

 後日連絡のあった社会人野球の強豪へ入社を決め、大学最後の大会に臨んでいる望月。「もう一度頑張ろうと思う。最後なんで、チームにも残せるものを残したい」と意気込んだ。