澤村一転「抑えやる」変心の理由

2013年01月23日 16時00分

 巨人の“師弟抗争”に新展開だ。澤村拓一投手(24)が21日、リーダーの内海哲也投手(30)らと、自主トレ先のグアムから帰国した。澤村といえば、原辰徳監督(54)が抑え転向を示唆。これに反発したことで注目を集めていた。ところがこの日は一転、態度を軟化。抑え受け入れの意向を示したことで、再び風向きが変わってきている。

 

 真っ黒に日焼けした顔で成田空港の到着口に現れた澤村は「ランニングもウエートも体幹もしっかりできた。ブルペンにいつでも入れるように、肩も下半身もできています」。充実感たっぷりに語った。

 

 そして質問は、抑え転向問題へ。改めて転向を拒否するかと思いきや、答えは意外だった。「やれといわれたところでやります。監督、コーチを含め『澤村ここ行け!』と言われたところでやっていきます」と先発にこだわらない意向を明らかにしたのだ。

 

 そもそもバトルの発端は昨年末の原監督の発言だ。「(澤村は)2年連続で2桁勝利を挙げているけど、じゃあ2年間でいくつ貯金したのか。そういう部分においては物足りない。もっと使いどころとか、働き場所として、ふさわしいポジションがあるかもしれない」。厳しい言葉を並べ、配置転換を示唆した。

 

 グアムで自主トレ中だった澤村は、これに敏感に反応。一部メディアを通し、抑え転向を断固拒否する意向を表明した。するとこれを知った指揮官も折れなかった。「強い意志は伝わった」と理解を示しつつ「澤村あっての巨人ではなく、巨人あっての澤村。その部分は十分、理解しているでしょう」とけん制。「適材適所の中でチームをつくることは重要。彼としっかり話をする」と話し合いの場を持つとした。

 

 右腕の心変わりの裏にも指揮官のこの発言があったようだ。チーム内には「テツ(内海)に『黙っとけ』とガツンと言われたんじゃないか」と見る向きもあるが、原監督が「新聞上でグジュグジュ言っているみたいだけど…」と不快感を示していたことも伝わっており、これ以上監督との衝突を避けようと判断したのだろう。

 

 澤村が“大人の対応”を見せたことで、今後は抑え転向への外堀を埋める動きも加速しそうだ。「本人の決意がぐらついている今がチャンス。周囲が『抑えをやった方が年俸が上がるぞ』とか、おいしい話を吹き込めば意外とその気になるかも」(チーム関係者)と“包囲網”を敷く準備を進めるという。

 

 澤村は「キャンプ、オープン戦で結果を残してこそ、ポジションを勝ち取れる。しっかりアピールしていきたい」とも語った。簡単に先発へのこだわりを捨て切れないのは当然だ。だがチームを預かる指揮官としても、守護神不在は大問題。果たして“抗争”の結果はどうなるのか――。今後も両者の動向から目が離せない。