巨人は6日、宮崎秋季キャンプで初の練習試合(ひむかスタジアム)を行い、小林ら若き捕手陣が全得点を叩き出し、韓国・ハンファを5―3で下した。打撃向上が最大の課題の小林は「2番・DH」で出場し3打数2安打、1打点。連日の猛特訓と由伸監督による個人レッスンで早くも結果を出した一方で、周囲は村田真一ヘッド兼バッテリーコーチの動向を注視している。

 今キャンプ初の対外試合で主役の座をさらったのは捕手陣だった。まずは小林が初回に左翼へ先制適時二塁打を放つと、なおも一死二、三塁の場面で「5番・捕手」で先発出場した2年目の宇佐見の左中間二塁打で2点を追加。さらに3―3の5回は小林が左翼線二塁打でチャンスメークし、一死一、三塁の場面で代打で登場した育成出身の3年目捕手・田中貴の犠飛で勝ち越し。田中貴は8回の2打席目でソロアーチを放ち、終わってみれば小林が2安打1打点、宇佐見は1安打2打点、田中貴が一発を含む2打点とチームの全得点を叩き出した。

 捕手陣のアピール合戦に由伸監督は「1試合じゃなあ」と継続を求めつつも、小林について「結果が出ないよりは出た方がいい。そこは良かったですね」と冷静に振り返った。

 今キャンプは若手の底上げとともに小林の打力アップは重点課題。すでに小林の守備力は申し分なく、打撃に磨きがかかればチームの大きな力となる。由伸監督も前のめりで、小林に約30分も付きっきりとなり、自ら実演指導も行っている。二岡打撃コーチとも協力し“英才教育”を施している。

 そうした中でチーム内で注目されているのが、村田コーチの動きだ。今キャンプでは宇佐見と田中貴の守備力向上へ捕手練習にほぼかかりっきりで、他の選手や打撃指導とは一線を引いている。しかし、現場スタッフは「ヘッドがいつまで我慢できるかが気がかりなところです。今年も特に小林にはリード面や打撃面で厳しいことを言ってきましたが、すべては期待の裏返し。ヘッドも元は捕手ですから、どうしても口を出したくなるでしょう。でも、打撃は高橋由伸という最高のお手本がいるわけですからね」とやんわりとクギを刺した。

 当の村田コーチは「監督も二岡もやってくれてるから、俺まで行ったら誠司(小林)がこんがらがるやろ。俺は遠くで見てるだけや!」と語ったが、どうなるか。