西武がポスティングシステムによるメジャー移籍を志願している牧田和久投手(32)の流出容認の方針を固めた。

 牧田はここ数年温め続けてきたメジャーへの思いを球団に直訴し現在、代理人を立てて球団と交渉中。鈴木球団本部長は「もちろん必要不可欠な選手。細かいことをしっかり話さないといけない。(譲渡金の)設定額もある」と基本的には引き留めの構えを見せながら、最終的に7年間の功労に報い、快く送り出すつもりでいるという。

 そのため西武はすでに牧田のメジャー流出に備え手を打っている。先日のドラフトでは5位指名で沖縄出身の牧田型サブマリン、与座海人投手(22=岐阜経大)の交渉権を獲得している。

 与座の担当スカウトは今季、新人ながら遊撃手として56年ぶりフルイニング出場を果たした新人王最右翼・源田と、中継ぎとして42試合に登板し2勝、防御率2・40とブルペンを支えた平井のW優良ルーキー獲得に尽力した安達スカウト。同スカウトは「(与座は)下手からキレのいいボールを制球よく投げる。クイック、フィールディングのセンスも抜群で牧田のフォームを参考に練習してきた投手」と語り、球団内でも「今年のドラフトで一番面白い存在」と期待値が高い。

 一方で「残留、国内FAを含めてすべての可能性がある」という牧田には背後に代理人がおり、西武がポスティングを認めなければ、国内他球団へのFA移籍のリスクが高まる。牧田は2014年から2年間の選手会長経験で球団に愛想を尽かしている部分があるからだ。

 球団としては後々を考え、無理にもめて遺恨を残すより、本人の夢を後押ししてあげる方が賢明な判断というわけか。