巨人の地獄の秋季キャンプが1日、宮崎で幕を開けた。若手の底上げを図る由伸監督はヤングGたちを徹底的に鍛え抜く。その最たる例が今季打率2割6厘の小林だ。

 全体練習が始まる前の早出から50分間、ぶっ通しで打ち込んだだけでなく、全体練習、さらには個別練習でも打撃を指示され、トータルで4時間弱。その間、小林のスイング数は指揮官が目安として掲げた例年の「1・5倍」の1500スイングをさらに上回る「1784スイング」に上った。さすがに小林も「こんなに振ったことはないです…。(体が)いい感じで張ってます」と苦笑いだった。

 また、井端内野守備走塁コーチのノックの雨を浴びた2年目の山本は足がつるなど、各所で悲鳴が上がりまくった。

 一方、指揮官も精力的に動き回った。選手への指導はもちろん、50メートル走に急きょ参加すると、岡本と3本勝負。結果は3戦全敗に終わったが、これは「(現役引退後)2年も何もしていない人に負けるなよ」(由伸監督)という指揮官流のゲキだった。

 ただ、負けず嫌いの由伸監督らしく「岡本ぐらいだったら勝負になるかなと思ったんだよ」と、どこか悔しさも漂わせたが、当の岡本は「全力で走りました」といい刺激になったようだ。

 実に9時間半に及んだキャンプ初日。地獄の日々はまだ始まったばかりだ。