馬原に“恩返し”誓った寺原

2013年01月20日 10時58分

アメリカンノックを受ける寺原

 オリックスからFA(フリーエージェント)権を行使してソフトバンクに移籍した寺原が19日、佐賀・唐津市内で自主トレを公開した。愛着あるホークスへの7年ぶりの復帰はうれしいが、自分の人的補償で“兄貴分”の馬原が移籍することになり、心が引き裂かれるようなつらい思いを味わった。横浜(現DeNA)、オリックスと2球団を渡り歩きスケールアップして鷹軍に戻ってきた右腕は古巣で活躍し、馬原に“恩返し”する。

 寺原はこの日、オリックスへ移籍した馬原、同僚となったエース・摂津らとともに行っている自主トレを公開。途中、右足に違和感を訴えるアクシデントもあったが、マウンド上での投球も披露した。

 7年ぶりの古巣復帰で意気揚々としていた寺原が絶望感に襲われたのは、11日のことだった。自主トレをともにしていた馬原が、自身の人的補償でオリックスへ移籍することが決まったのだ。

「ショックだった。ヘコみました。自主トレを一緒に続けていいのか迷いました…」。自分がFA権を行使したせいで「優しいお兄さん」的存在だった馬原がホークスを去るという思わぬ悲劇に発展。寺原は身をズタズタに引き裂かれる思いだったという。

 それでも、馬原に11日のうちに電話をもらい激励してもらった。毎日のように通っていた馬原の自宅では、優理子夫人に「気にしないで」と声をかけてもらった。先輩夫妻の励ましで気を持ち直し、古巣で活躍することこそが最大の“恩返し”になると考えた。

「僕が(オリックス時代に)ソフトバンク戦で完封したとき(敵にもかかわらず)『お前よかったな。応援してたから』といってもらった。今度は逆の立場。また、そういうふうにいってもらえるようにしたい。(勝ちパターンで投げる)馬原さんを登板させないようにしたい」。ひと懐っこい顔が引き締まり、その瞳には闘志が再点火していた。

 今季への手応えもつかんでいる。このオフは清原和博氏、小久保裕紀氏らが現役時代にトレーナーを歴任した山尾伸一に師事。「近年やってなかったウエートを去年の12月に地元の宮崎でやりました。ウエートをしっかりできた年は(シーズンでの)結果もいいんです」と力を込める。

 2球団を転々とした“渡り鳥右腕”は兄貴・馬原に、成長した姿を存分に見せる。