【カリフォルニア州ロサンゼルス発】ドジャースとアストロズが激突しているワールドシリーズ(WS)でボールの違いに注目が集まっている。スポーツ・イラストレイテッド誌(電子版)が29日(日本時間30日)、「28日(同29日)、ドジャースとアストロズ両方の投手やコーチ陣らから、WSのボールがレギュラーシーズンのボールに比べて滑りやすいと苦情が出ている。特にスライダーが投げにくいと」と報じたからだ。

 記事によると、ドジャースのハニーカット投手コーチは「(ダルビッシュ)有が違いに気づいていた。滑りやすく、彼はスライダーがいつものように投げられなかった」と証言し、ダルビッシュも「スライダーをうまく投げられなかった。滑りやすかった」と答えている。同誌は第3戦でダルビッシュが1回2/3で降板したのは、最も得意とするスライダーがひどかったからと分析。スライダーを14球投げ、空振りはゼロ。今年先発した34試合で初めてだ、とした。

 アストロズのストーム投手コーチは「触っただけですぐに滑りやすさが分かった」。第2戦に先発したバーランダーも「ボールにサインするときもしっかり書かないとペンが滑るんだ。スライダーを投げている時に一番違いを感じた。ピダーソンに打たれたホームランもスライダーだった」と話している。

 米大リーグ機構はWSのボールは同じ工場で同じ工程で作られ、審査しており「違いはWSの金のスタンプだけ」としているが、同電子版に掲載された2つのボールの見た目は明らかに違っている。第2戦でWS最多となる両軍合わせて8本塁打が飛び交い、“飛ぶボール”との疑惑が浮上していたが、滑るボールの影響のようだ。