阪神・金本知憲監督(49)が23日、安芸秋季キャンプで2年連続の地獄特訓を予告した。昨年は早朝ウエート、1日1000スイングのノルマを徹底させるなど故障者も辞さない強姿勢で行われたが「去年と一緒ぐらいはやると思う。高山が泣きそうなくらい振っていたけど、それぐらいやらんとうまくならない。同じやるんでも意識は持って。どうせ何時間か苦しい思いをするわけだから」と言い放った。

 ただし、今オフの鉄人発言は厳しいだけではない。若手ナインへ「おいしい汁吸え指令」も出した。今季は昨年台頭した北條、原口、高山の若手野手トリオ、投手では岩貞、青柳が揃って不振のまま終了。「一軍で1回いい思いをしているわけだから、いい意味でまた“おいしい汁”を吸えるよう頑張ってほしい」と結果を出せば大幅昇給は当然、周囲からもチヤホヤされる阪神の甘い…いや「おいしい汁体質」をあえて逆手にとってハッパを掛けたのだ。

 これにはチーム内からも「あまりいい言葉ではないが、その通り。ウチで“おいしい汁”を3年連続で吸えれば一流選手の仲間入りだ」と賛同する声が上がる。この日、球団は新組閣を発表。外部招聘など大改造はなく、ヘッドコーチを片岡打撃コーチが兼務し、退任した掛布二軍監督の後任に矢野作戦兼バッテリーコーチが就任、今季限りで引退したV戦士の安藤優也氏が育成コーチとなるなどテコ入れを図った。高野球団本部長が「(矢野、片岡の)2人は皆を引っ張る力が相当ある」と話したように一、二軍の連携強化はもちろん、さらなる厳しい体制となるのは必至だ。そんな中“おいしい汁”を堪能できる選手が出てくるか。