西武のCSでの働きぶりに注目が集まるのはドラフト3位ルーキーの源田壮亮内野手(24)だ。新人として56年ぶり4人目、遊撃手としては初のフルイニング出場を達成し、安打数でも巨人・長嶋茂雄(1958年、153安打)を抜き史上3位となるシーズン155安打をマーク。2番打者として打率2割7分、3本塁打、57打点、37盗塁は堂々たる新人王筆頭候補だ。

 侍ジャパンにも初選出された源田は13日に受賞したスピードアップ賞の会見で「打席ではあまり考えないようにしているから変な間もないのかな。(投手のテンポには)されるがままに。打席でのルーティンもしっかり決めているんで」と動じない強心臓ぶりをさらりとアピールした。

 源田の変貌ぶりに目を丸くしているのが、昨秋ドラフトで獲得を猛プッシュした担当の安達俊也スカウト(52)だ。オリックスのスカウト時代に今や先発枠の柱となっている西を担当したことでも知られる安達氏は「確かに守備と足は即戦力でした。こっちもそこは(スカウト会議でも)強調しましたけど、打つ方は時間がかかるという判断だった。ところが監督、コーチとの巡り合わせがよかったのか、早い段階から本人はキッカケをつかんで別人のようなバッティングをし始めた。今の源田の打撃フォームは僕が去年、トヨタ(自動車)のグラウンドで見ていた非力な源田じゃないし、トヨタの監督、選手もみんなその変身ぶりに驚いている」と話す。

 打撃練習では打球がなかなか前に飛ばず、非力を絵に描いたような9番打者だったが、それが一変。急成長を遂げた源田のバットがチームをファイナルステージに導く。