巨人は13日、村田修一内野手(36)に対し、来季の契約を結ばないことを通告。自由契約選手として手続きを取った。

 村田は2012年に横浜(現DeNA)から国内FA権を行使して巨人へ入団し、3度のリーグ優勝と12年の日本一に貢献。昨季は正三塁手としてチーム唯一の全試合出場を果たした。しかし、今季はマギーの加入により開幕スタメンから外れるなど出場機会が減少。後半戦から三塁に定着したものの規定打席には届かず、打率2割6分2厘、58打点、14本塁打の成績だった。

 鹿取GMは「チームの若返りを進める方針の下、多く打席数を与えるのは難しい。村田君の選択肢を広げることが、せめてもの誠意と考えた。苦渋の選択でした」と説明。自由契約を告げられた村田は取り乱すこともなく「はっきり言ってくださってありがとうございます」と頭を下げたという。

 村田は2度目のFA権を保持しているが、今季の推定年俸2億2000万円はBランクとなり、権利を行使した場合も獲得球団は金銭に加え、人的補償が必要。だが、自由契約となれば移籍への障壁は低くなる。通算2000安打まで残り135本としているベテランへの球団の“温情”でもあった。

 12月で37歳となるが、長打を期待できる右打者で守備も堅実な三塁手は貴重。今後は他球団による争奪戦が予想される。一方で「若返り」を理由に功労者を自由契約にした以上、巨人は村田に負けない後継三塁手の育成が義務付けられたと言っていい。ドラフト会議や秋季キャンプなどで、どのような指針が示されるのか注目が集まる。