巨人・高橋由伸監督(42)が13日、東京・大手町の読売新聞東京本社を訪問。渡辺恒雄主筆(91)ら読売グループ本社首脳陣、老川祥一オーナー(75)にシーズン終了報告を行った。

 今季は前半戦の失速が響き、11年ぶりのBクラス転落という屈辱の結果に終わった。約1時間強に及んだ会談後、取材に応じた由伸監督は「シーズンがいい結果ではなかったので『大変申し訳ないです』という話から。今年1年を振り返りながら、来季に向けての考えや課題をどうしていくかという話だった」とした。

 昨オフに続き、重点テーマとして話題に上ったのは若手の育成だった模様だ。補強策についても話し合われたが、指揮官は「自前で若い選手を育てることの方が、チームとしては一番大事な課題ではないか」と話したことを明かし、「(本社首脳陣からも)新しい力は大事だから、1人でも2人でもそういった選手を育ててほしいと。今回だけでなく、現場もそうだし、球団として数年の課題というのは、共通の認識だと思う」とした。

 チームの若返り方針については、本社首脳を代表して取材に応じた老川オーナーも「この1年間、若い人たちもいろいろ経験を積んだわけだから、そのへんを中心に考えていこう」と指揮官と考えが一致したことを明らかにした。

 会談の話題は約2週間後に迫ったドラフトにも及び、渡辺主筆は「くじはどれぐらいの確率になるんだ?」と強い関心を示していたという。スカウト陣は早実・清宮幸太郎内野手(3年)の1位指名方針を固めているが、老川オーナーも「くじ引きで決まる話だからね。幸運を期待している」とゴーサインを発した。

 由伸監督は来季が3年契約最終年となる。育成重視路線への理解は得られたが「勝負の世界ですから、勝たなくちゃいけない。負けてもいいからというわけにはいかない」と気を引き締め直した指揮官。まずはこの秋、若い芽を鍛え上げる。