東大が7日の東京六大学野球リーグ・法大戦に9―2で勝利。5日にプロ志望届を提出したドラフト候補左腕・宮台康平が完投で今季2勝目を挙げ、通算6勝目をマークした。8安打6奪三振。課題だった制球も3四球にまとめ、7回二死一、二塁のピンチも145キロの直球で切り抜けた。

「終盤は疲れもあったけど(完投は)試合前からそのつもりでいた。気持ちの面でまだいける。点差もあったので余裕があるなかで投げられました。先に点を取ってもらっていい守備もあった。チーム全体でいい空気をつくれた」。プロ志望届提出後、初の公式戦にも「逆に(気持ちを)変えないようにした。(26日のドラフト会議は)僕の場合、リーグ戦が終わった後(東大は21日からの明大戦で終了予定)なので、逆に目の前の試合に集中できる。それが終わったらドキドキしますけど」と気負いはない。

 就活はせず、プロ入りに向け、退路を断った格好の宮台だが、気にかけるのは3日にロッテを戦力外になった京大卒の右腕・田中英祐のことだ。この日は「学年も離れてますし、今は学生野球。まずは目の前のこと」と言葉を濁したが、かつては東大―京大の定期交流戦で直接教えを請うたこともある仲。あるチームメートは「特別話題にはなっていないですが、やっぱり気にはしていました。むしろ(田中戦力外で)腹をくくったところもあると思う」とエースの心中を代弁した。

 12球団OK、指名順位にもこだわりなし。東大の注目左腕は最後のリーグ戦に全力投球し、ドラフトを待つ。