巨人に本格的な秋がやってきた――。一軍のCS進出争いはいよいよ佳境を迎えているが、第1次戦力外通告期間が近づいてきた。

 冷たい雨が降った28日のジャイアンツ球場。2015年秋に右股関節の難手術を受け、2年間の長期リハビリ生活を送る杉内俊哉投手(36)が復活にかける強い意思を示した。「けがで辞めるのは一番したくない。どうせ引退するなら、ボロボロに打たれてパフォーマンスを出せないという方が納得する。(今は)納得できない方が強い」と話した。

 12年からの3連覇に貢献した功労者でもある杉内について、球団幹部は以前「巨人の18番は自分で進退を決めていい」としていた。球団は来季の契約についてスタンスを明確にしていないが、巨人のユニホームで勝負の17年目に臨むことはほぼ確実となった。

 ただ、杉内のように自分で進退を決められる選手はひと握り。10月1日には第1次の戦力外通告期間がスタートする。現在、巨人の支配下登録選手は枠いっぱいの70人。編成関係者は「育成の昇格枠、外国人などの緊急補強枠も空けておく必要があることを考えると、開幕は66人ぐらいでスタートするのがベター。今年のドラフトは7人前後の指名を予定している。そうなると、10人以上はカットしないといけない」と話す。

 育成に重きを置く鹿取義隆GM(60)は「辞めてもらう人はそれなりに出てくるでしょう。チームは生まれ変わらないといけない。そこはシビアにやっていきます」と大胆な血の入れ替えを示唆していたが…。ドラフトの結果やCS進出争いの行方にも左右されるだろうが、今秋は思わぬ選手がチームを去ることもありそうだ。