将来的なメジャー挑戦を希望している西武の菊池雄星投手(26)に意外な球団が熱を上げている。

 菊池はロッテ打線を相手に6回を4安打無失点とまずまずの投球を披露したが、チームは逆転負け。リーグトップに並ぶ16勝目を手にすることはできなかった。「数日前から軽い発熱があった」体調での投球で、辻監督は「体調が悪かったが、それでも試合をつくってくれた」と称賛した。

 海の向こうの評価も不変だ。本紙既報どおり、菊池に関してはメジャー関係者の間で「今オフ、FA市場に出れば総額1億ドル(約111億5000万円)の契約が取れる可能性がある」とささやかれている。実際に複数球団が水面下で菊池の獲得に照準を合わせている模様で、その中にはナ・リーグでワイルドカード争いを展開し、8年ぶりのポストシーズン進出を目指すロッキーズも含まれているという。

 ロ軍の本拠地クアーズ・フィールドは標高約1600メートルに位置し、打球がよく飛ぶ“ヒッターズ・パーク”として有名。しかも高地で空気抵抗が少ないことから変化球も曲がりづらい。だからこそ「近年、ロッキーズは速球派投手の育成と獲得で活路を見いだそうとしている。本拠地で変化球が少なめでも勝ちが計算できる投手…。左の速球派でもある菊池なら、その役割を十分果たせるとロッキーズは考えている」とメジャー関係者は説明。8月3日の楽天戦で158キロをマークし、自身の日本人左腕最速記録を更新した菊池はうってつけの人材というわけだ。

 ロ軍には過去に吉井理人(現日本ハム投手コーチ)とマック鈴木の2投手と松井稼頭央外野手(現楽天)の日本選手3人が在籍した。ただ、日本の球団から“ダイレクト”に移籍した例はない。西武の現場スタッフからは「岸(現楽天)はシーズンを通して働けなかったり、負け数が多いから(FA移籍でも)それほど痛手という感じでもなかったけど、いま雄星に出て行かれたらウチは終わり」との悲鳴も上がっているが、こちらも動向から目が離せない。